芸能

ビートたけしの名言集「いくつになっても芸の向上に執着する殿」

「北郷、グッズはどうだ?進んでるか?(来年1月『たけし“ほぼ”単独ライブ』で販売するグッズのこと)」

「はい。Tシャツと手ぬぐいは進めてます」

「そうか。あと他に、何かね~かな‥‥。あれだ! 色紙によ、俺が相○み○をみたいなデタラメな言葉を書いてサインして売るか!」

「いいですね。じゃ~、お相撲さんみたいに、『たけちゃん手形』なんかも作りますか?」

「いいな! だったら、『たけちゃん足形』ってのもやるか。よし。これであとはピアノがもっとうまくなれば言うことなしだ!」

 打ち合わせなどをしていて、その案件が決まり出したりすると、殿は唐突に、まったく違う話を放り込んでくることがよくあります。ここで話題に上がったピアノですが、30年程前、漫才ブームで世に飛び出し、ドカンと売れ、たけし軍団という弟子を10人程抱えていた殿が、「オイラ、ピアノを習い始めたんだ!」といった発言を、何度かしていたことがありました。わたくしが弟子入りをした20年程前にも、周りに、「今よ、またピアノを真剣にやってるんだ!」と、そんな言葉を漏らしていました。そして、8年程前にもやはり、

「ちょっとまたピアノをやってんだけどよ。これがなかなかうまくいかねーんだ。ちきしょ! こうなったら、ジジイになって、歌とピアノと漫談のショーをやってやる!」

 そう周囲に宣言し、そこから半年程、また、みっちりと稽古をされていました。

 殿は、思い出したように、タップやピアノといった“芸事”に、繰り返しトライしています。殿のこういった芸事への執着は、思うに、殿の師匠、浅草の伝説の芸人・深見千三郎さんの影響が色濃くあると思うのです。

「深見のおとっつぁんなんて、まー何でもできたからな。ギターもうまいし、タップもやるし。立ち回り(刀を使ったチャンバラ)なんかも、えらいうまかったからな」

 とにかく芸事が達者で、何でもできたと回想する、深見師匠の存在が、殿をピアノやタップへと走らせるのでしょう。

「深見のおとっつぁんに、『漫才なんてしゃべってるだけで、あんなもの芸じゃないよ』なんて言われたからな」

 “漫才を変えた”と言われ、今までにないセンスとネタで、爆笑をかっさらっていた、ツービートの漫才をしても、“芸には入らない”と言う厳しい師匠。ですから、しつこいようですが、殿は今でも、“漫才以外の何か”に執着するのです。

「スタジオミュージシャンぐらいできるギターの腕を、『お前、1億で買うか?』って言われたら、俺は買うよね」

 殿の口から幾度となく聞いた言葉です。漫才ブーム前夜のまだ無名だった頃、横山やすし師匠に紹介された、島田洋七師匠からの「売れたら何がしたい?」といった問いに、「俺は売れたら、売れた金で芸が買いたい」と答えた殿。昔も今も、殿はずーっと、同じものを追いかけています。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」
5
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」