「一年の計は金杯にあり」──1月6日に中山と京都で行われる2018年「中央競馬」の重賞第1弾「金杯」。この東西のメインレースが、その年の競馬運を占う新年最初の大勝負となる。それだけ大事なレースだけに、今でも波乱めいた「都市伝説」が根強く残っているのだが‥‥。
競馬ファンの間でよく聞かれるのが「金杯は金偏の馬がくる」というものだ。スポーツ紙デスクが話す。
「始まりは84年の中山金杯でした。5番人気に支持されたドウ(銅)カンヤシマが勝利し、これをきっかけに6年連続で馬名の文字を漢字に変換して『金偏』のつく馬が中山で1着になっています」
85年以降の中山金杯の1着馬は、次のとおり。
85年スズ(鈴)パレード。86年クシロ(釧路)キング。87年トチノニシキ(錦)。88年アイアン(鉄)アロー。89年ニシノミラー(鏡)。
また、きっかけを作ったドウカンヤシマは、4年後の88年、京都金杯でも6番人気で勝利を収めている。
「ちなみに、ドウカンヤシマは京成杯3歳Sを皮切りに、京都金杯まで6年連続で重賞を制覇しました。この記録は、現在も破られていない『JRAレコード』です」(前出・スポーツ紙デスク)
しかし、89年を最後に、「金偏の馬」はパッタリと勝てなくなった。02年、東京競馬場で行われた中山金杯のビッグゴールド(金)まで空いてしまい、それ以降は出ていない。
「18年の京都金杯には、橋田厩舎からスズ(鈴)カデヴィアスが出走を予定しています。明け7歳馬ですが、17年秋の福島記念で2着しているように、衰えはありません。自慢の末脚が決まると、16年ぶりに都市伝説がよみがえるかもしれませんよ(笑)」(前出・スポーツ紙デスク)
そしてもう一つ、必ずと言っていいほど「年男の騎手」に注目が集まるのも、「金杯」の特徴だ。
参考までに武豊(48)のケースを見てみよう。
過去、武豊騎手は京都金杯を3勝しているが、そのうち2勝は年男だった酉年に記録している。05年のハットトリック、17年のエアスピネルで、ともに1番人気に応えたものだ。
さらに言えば、騎手になって最初に迎えた酉年の93年も、2番人気のエイシンテネシーで2着。このように、全て人気に応えてきたのだから、さすがと言える。
ちなみに武豊はこれまで中山金杯には一度も騎乗しておらず、そればかりか、年明けの中山競馬に参戦したこともない。可能性があるとすれば、次の酉年の29年、60歳になる年だが‥‥。
では、肝心の18年に年男となる騎手だが、内田博幸(47)、井上敏樹(23)、岩崎翼(23)ほか、JRAの騎手では12人いる。もし、内田博が中山金杯で騎乗するようなら、あっと驚く高配当を演出するかもしれない。