金杯は東西とも荒れる重賞として知られるが、近年はそれほどでもない。専門誌トラックマンが話す。
「かつては、お正月を挟んだ変則日程のため、馬を仕上げるのに苦労しましたが、今は調教施設の充実や外厩の頻繁な使用などもあって、苦労が減ってきた。馬がキッチリと仕上がれば、当然、結果のほうも、おおむね力どおりに収まりますからね。大荒れが少なくなったのは、それが要因の一つでしょう」
それでも、中波乱はしばしば起きており、難解なレースであることは確かだ。
まずは中山金杯を見ていこう。
過去5年は1番人気馬が全て馬券圏内にきているが、1着は17年のツクバアズマオーのみで〈1 1 3 0〉。3連系の軸ならいいが、連軸として買うには少々頼りない数字だ。
また、5年のうち3回は5番人気以内の3頭で決着。残り2回も6、8番人気馬が2着に食い込んでいるものの、馬連の平均配当は2890円、3連複は3380円となっている。
顕著な傾向としては、トップハンデ馬が全て馬券に絡んでいることは強調していいだろう。それに対して、53キロ以下の馬は〈0 0 0 29〉。いくらハンデ戦だからといっても、むやみに軽量馬に飛びつくと痛い目にあうかもしれない。
7・8枠に入った馬の成績が極端に悪いのも見逃せないポイント。09年以降は〈0 0 0 37〉と一度も馬券に絡んでいないのだ。
「外枠の馬はスタートしてから1コーナーまで距離がありますし、レースをしづらい。たとえフルゲート(16頭)に満たなくても成績は悪いですね。17年も2番人気に支持されたストロングタイタンが7枠10番に入り、9着に敗れています」(トラックマン)
そして忘れてならないのは、関西馬の攻勢だ。00年に京都金杯が1600メートルに短縮して以来、関西の中距離馬は中山をターゲットとして、結果も出している。
過去10年で6頭が勝利を収めており、そのうち二度はワンツー決着。14年は5番人気オーシャンブルーと8番人気カルドブレッサが1、2着して、馬単1万4390円を記録した。
「18年の中山金杯に出走予定の関西馬は、カデナとフェルメッツァの2頭。もちろん勝算があっての遠征と見ていいでしょう。ちなみに14年と15年の勝ち馬、オーシャンブルーとラブリーデイの前走は金鯱賞でした。12月の中京を使った馬と金杯は相性がいいのかなと思っていたら、17年から金鯱賞の開催時期が3月に変更になった。なので今回は、同じ12月の中京で行われた重賞・中日新聞杯を使い、しかも関西馬のフェルメッツァが、最も不気味な存在だと思っています」(前出・トラックマン)
近年、大レースになるほど外国人騎手の活躍が目立つが、中山金杯も例外ではない。17年こそ日本人騎手が1~3着を独占したが、その前の4年は全て外国人騎手が馬券に絡んでいる。今回も騎乗してくるようなら要注意だ。
また血統で言えば、過去5年で2頭ずつ勝ち馬を出しているキングカメハメハ産駒、ステイゴールド産駒に注目。18年の出走予定馬ではダイワキャグニー、ウインブライト、マイネルミラノ、レアリスタの4頭。どの馬が勝っても不思議ではない。