フィギュアスケート全日本選手権で4連覇を果たした宮原知子選手。左股関節の疲労骨折という大ケガからの復活だけに、本人も周囲も、その喜びは並々ならぬものであったようだ。
「ケガしてからは、本当に辛い練習の日々だったようですね。氷上での練習ができない時期はもちろんですが、氷上に戻ってきてからもジャンプなどの大きな技の練習ができないというのは、どうしても焦りが出てきてしまうものです。同じリンクでは、ほかの選手が自由に滑って練習していますからね」(スポーツライター)
しかもそれが、努力家で人一倍練習することで知られる宮原選手だけに、焦らず地道に…とわかっていても、はやる気持ちを抑えるのに苦労したことは想像に難くない。
「氷の上に立てないのであれば、映画や音楽を聴いて自身の感性を磨き、休みが必要な時は骨密度を高くするために食べる量を増やすなど、滑る以外の努力を積んできたようですね。復活した宮原選手ののびやかな滑りを見ると、表現力がさらに増したように感じました」(前出・スポーツライター)
そんな宮原選手が、全日本で満足のいくフリーの演技ができた時には、珍しくガッツポーズで喜びを表した。昨シーズンはコーチと、あえてガッツポーズの練習をしていたほどの恥ずかしがり屋だった宮原選手が思わず握った拳には、復活できた喜びとこれまで続けてきた努力、そして支え続けてくれた濱田美栄コーチへの感謝がこめられていたのではないだろうか。
(芝公子)