現有戦力に目を向けても、明るい話題は見当たらない。現在、選手、コーチ陣から総スカンなのが、昨年2月に球団トレーナーの鍼治療ミスで右肩を負傷したとされ、シーズンをまるまる棒に振った澤村拓一(29)である。
「社長とGMが澤村に謝罪するという異例の事態にまで発展しましたが、負傷と鍼の因果関係は結局のところ100%事実だと断定できなかった。それよりも、当の澤村が、くだんのトレーナーのところに今でも『診てください~』と平気な顔で通っていて、周囲から『なんだアイツは!』とあきれられています」(スポーツ紙デスク)
澤村は年明けに自主トレでジャイアンツ球場を訪れ、「僕がどれくらいピッチングできるか監督、コーチはわかっていない。そういうところを含めてアピールできれば」と豪語。空気の読めなさ加減はエース級とヤユされる始末だ。
年明け早々、バイク相手の人身事故を起こしたのは、首脳陣が「第二のアーロン・ジャッジに」と推す大型三塁手・岡本和真(21)だった。村田修一(37)を戦力外通告にしてまで躍進を期待する若手の不祥事だけに、球団幹部も気が気ではない。
「『なんでこの大事な時期に‥‥』と球団関係者もボヤいていました。実は昨年、山口の事件のみならず、13勝をあげた田口麗斗(22)も秋口に、大事にはならなかったものの、車関係で警察ざたのトラブルを起こしている。スタッフ間では『おはらいでもしたほうがいいんじゃないか』ともっぱらです」(球団関係者)
そして巨人で最大の「絶対不協和音」の原因は、生え抜きの大ベテランにあった。巨人番記者が声を潜めて告白する。
「阿部慎之助(38)の存在が、チームの雰囲気をいっそう微妙なものにしています。由伸監督はガンガンものを言う阿部をハレモノ扱いにし、後輩選手らからも敬遠されている。ハッキリ言って、浮いているんです」
試合中の敬遠は大打者の証明だが、身内からとはいかがなものか。
「阿部は典型的な、昔ながらの体育会系で親分気質。だから『チームのために口うるさく』というつもりなんですが、若手選手にはそれが煙たいんです。例えば昨年、恒例のグアム自主トレに参加した小林誠司(28)が丸刈りにさせられたことがあった。そういう前時代的なところが、今の若い世代と決定的に合わないんでしょう。今年の自主トレには誰も参加せず、一人ぼっちだったようですね」(巨人OB)
「若手育成」から逆行し、自身が「老害化」し始めた現状は、阿部本人もうすうす感づいているという。
「『もう俺はいいよ』と、後輩との交流を諦め、ションボリしています。ただ、まだ代打要員になるつもりはないようで、打力に定評のある宇佐見真吾(24)の一塁コンバートを警戒し、自主トレではハードに体重をしぼってきたそうです。首や右膝など、多くの古傷を持つ身ですから、無理がたたらなければいいのですが」(前出・スポーツ紙デスク)
キャンプ前から不安のタネばかりが噴出する由伸巨人。待ったなしの3年目で結果を残し、フロントを黙らせることなどできるのだろうか──。