“生え抜きの新4番バッター”が誕生するか否かは、ベテラン・阿部慎之助の決断次第だ。
「チーム内外から岡本和真の打順に関する議論が交わされています。プロ4年目でようやくその才能が開花しました。今こそ、岡本を4番に昇格させて鍛え上げるべきだと主張する声と、4番は時期尚早という慎重論の両方が聞かれます」(チーム関係者)
5月のGW期間を明けた時点で、高橋由伸監督は4番バッターを3人選んでいる。ゲレーロ、マギー、そして、阿部だ。4番はチームの顔であるが、外国人選手やベテランに託したままでは未来はない。「若い岡本に、勉強を兼ねて」と推す声もわからなくはないが、高橋監督は首をタテに振ろうとしない。
「もし、高橋監督が岡本の4番を本気で考え始めたら、真っ先に相談するのは阿部でしょうね」(前出・チーム関係者)
高橋監督はペナントレース直前、2つの決断を下していた。一つは、オープン戦終盤になっても調子の上がってこない阿部をスタメンから外したこと。これによって、「一塁・岡本」のスタメンが決まったのだが、それだけではない。高橋監督は選手控室のロッカーの位置を変えさせた。阿部のロッカーのすぐ隣を岡本にしたのだ。
「若手時代の阿部も、隣のロッカーが木村拓也、大道典良のベテランでした。両ベテランに叱られることもあれば、チームを牽引する主砲の責任みたいなものを教わったんです」(ベテラン記者)
他の若手を呼び寄せ、叱咤することもあるそうだ。一見、「牢名主」のようだが、前任者・原辰徳氏がかつて言った言葉も思い出される。「今の巨人は阿部のチーム」。高橋監督が「4番岡本」のゴーサインを出すのは、阿部のお墨付きが出てからになりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)