次回シングルをもってのグループ卒業を発表した乃木坂46の生駒里奈。「制服のマネキン」や「君の名は希望」といった乃木坂を象徴する楽曲でセンターを務めている生駒の卒業とあって、ファンも卒業発表には大きな衝撃を受けたようだが、卒業発表から1週間が経過し、ようやく心の整理がついてきたようだ。
そんな、生駒は今でこそ「乃木坂の顔」であり、パフォーマンスの柱とも言える存在だが、加入当初、ここまで化けることをいったい誰が予想できただろう。
「1stシングルから5thシングルまでセンターを務めた生駒ですが、正直、加入当初はここまで高い意識をもって活動するようになるとは想像もできませんでした。乃木坂加入前は高校のクラスメイトから冷やかされたりしていたこともあって、乃木坂に加入すれば学校に行かなくても済むという理由でオーディションを受けた秋田出身の高校生が、初代センターに抜擢。グループの中では年少組ながらMCを仕切ったり、グループの冠番組でも先頭に立ってトークを盛り上げたりと、まさにドラマのような変わりようを見せました。もちろんそこに至るまでには苦労の連続で、センターを務めているのに握手会人気が思うように伸びなかったり、それを理由に叩いてくるアンチも多かったりと悩んだこともありました。ただでさえ、乃木坂の場合は控えめで批判の声をとにかく恐れているような子が多い中で、生駒はセンターであるがゆえにムチャクチャな誹謗中傷を受けることもありましたから、本当によくここまで活動してくれたと思う」(アイドル誌ライター)
ただし、乃木坂メンバーの中で身を削り、グループのために活動してきたメンバーこそ生駒だと、このライターは指摘する。
「もちろん、『私が私が…』という個人技に走るようなメンバーがいないのが乃木坂らしさであり、全員が乃木坂を語るに欠かせない存在なんですが、中でも生駒はリーダーシップを取って活動に取り組んできた。ライブのリハーサル期間では自身が気になった点をメンバーたちに積極的に伝え、意思疎通を図るなど全体のパフォーマンスの向上に努めてきた。生駒はリーダーでもありませんからそういう行為をとることでメンバーに嫌われてしまうリスクもあるでしょうが、それも顧みず乃木坂がより良いグループになるためということだけを重視してひた走ってきたイメージがあります。思えば2014年に行われたAKB48との兼任も『乃木坂を知ってほしい』という一心から一人でAKBとの兼任を決断。当時ほとんどのメンバーが兼任を反対したものですが、結果的にその決断が今の乃木坂人気を後押ししたことも間違いないでしょう」
卒業まで刻々と時間は過ぎていくが、生駒がメンバーに与えてきた影響が、最後に「大輪の花」を咲かせることに期待したい。
(石田安竹)