テリー 豊洲市場の開場が10月11日に決定しましたけど、結局、築地はどうするんですか?
音喜多 現在、「築地再開発検討会議」で検討中なんですが、スケジュールを見ると、今年5月まで検討会議をやって、そのあと取りまとめ作業に入り、「平成30年度中に結論を出す」と書いてあるんですよ。
テリー それ、実質来年の3月までってことでしょう? 遅いなァ。なんでそんなにかかるの?
音喜多 例えば、オリンピックの開催時には駐車場になる予定ですけど、「あの扇形の建物を記念に残すべきだ」という有識者がけっこう多いんですよ。でも、それを実際にやってしまうと、車が3000台も入らないですし。
テリー そんなことをずっと議論してるの!? どうでもいいよ(笑)。じゃあ、音喜多さんは、築地をどうするのが一番だと思っているんですか?
音喜多 私は、全面的に民間に任せたほうがうまくいくと思っています。
テリー ということは、あの広い市場跡を民間に売却する?
音喜多 という案も、まだ残っていると思います。都議会・公明党もそれに近い主張をしていますし、その意見を知事も無視はできませんから。言い方は悪いですけど、恐らく今、小池知事はそこまでこの問題に熱心ではないと思われますので、選挙公約も手放して、得意の方針転換をされる可能性は十分にあると思いますね。
テリー 正直、東京都が主導で扱うには荷が重いと思うんですよね。
音喜多 僕もそう思います。しかも年間160億円のキャッシュを稼がないと、豊洲新市場を作ったお金をペイできない。それを数十年間続けるというのは、普通に考えるとまず無理ですよ。一方で豊洲の「にぎわい施設」はいちおう民間に任せる計画になっているので、創意工夫の余地はあると思います。
テリー 音喜多さんは、実際に何度も豊洲に足を運んでいると思いますけど、どんな印象ですか。
音喜多 もちろん完璧ではないかもしれないですけども、最先端の施設は用意されましたし、とにかく安全性、衛生管理については格段に進化すると思います。そもそも、豊洲が築地と同じような場所になることはまずないですよ。温泉施設もできる予定ですし、半日ぐらいゆったり過ごせるエンタメゾーン、みたいな全然別物と考えたほうが、目線もクリアになるんじゃないかなと思います。
テリー なるほどね。まずは頭を切り替えろ、と。
音喜多 とはいえ、豊洲の開場後も築地に残って座り込みをする市場業者がいるかもしれませんし、実際のところは、まだまだ予断を許さない状況ですね。
テリー 最後まで移転に抵抗する人がいるかも、ということですか。でも、それって小池知事が寝た子を起こしちゃったみたいなもんだからね。
音喜多 ええ、合意していたのを一回崩してしまったので。実際、一枚岩に意見がまとまっていた仲卸さんの組合が分裂して、移転後に組合が2つに分かれちゃうかもしれないみたいな懸念もあるわけですよ。これを挽回するのは、なかなか容易なことではないと思いますね。
テリー 時限爆弾をつけちゃったみたいな感じだものね。いや、秋が来るのが待ち遠しいやら、怖いやら。