2月21日に急逝した俳優・大杉漣さんの遺作となったドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」(テレビ東京系)の最終回が3月7日に放送され、改めて、多くのファンから「早すぎる死」を惜しむ声が上がっている。
「最終回のストーリーは、朝ドラのクランクアップを間近に控えたある日、予知夢のような夢を見た大杉さんがスタッフへの恩返しを決意するところから始まります。生前3分の1しか撮影が終わっていなかったのに、ストーリーも破綻することなく、エンディングを迎えている。このことに番組を観た視聴者からも《大杉漣はまだ生きている!と思えるくらい素晴らしい編集でした!》といったコメントが寄せられています」(テレビ誌記者)
そんな中で劇中、大杉さんたち「バイプレイヤーズ」が廃屋を改装して暮らしていた「島ハウス」をクランクアップ後に、大杉漣記念館にするという話が浮上。これに対して、〈現実になるといいですね♪〉〈中2の息子が本当に作っちゃいなよ!!って言ってます〉〈大杉漣記念館が出来たら絶対に行くからね!〉と言った熱い声援が飛んでいる。
「まるで大杉さんの死を暗示させるような場面ですが、大杉さん自身も出演しており、もともとシナリオに書き込まれていたシーンでしょう。大杉さんは、企画の段階からこのドラマに関わったバイプレイヤーズを象徴する存在。リスペクトの意味も込めて、脚本に盛り込まれていたのではないでしょうか」(スポーツ紙デスク)
さらにラストシーンでは、大杉さんを除く4人が海の彼方に向かって「漣さん、ありがとう!!」と叫ぶ感動的なシーンもあり、ここで多くのファンが涙腺崩壊を起こしている。
偉大なバイプレイヤーとしてこの世を去った大杉さんだが、実は今年の夏、主演するはずの映画の撮影が控えていた。
「ピアノの調律師を主人公にした『お母さんの被爆ピアノ(仮題)』というタイトルの作品。2009年にドキュメンタリー番組『NONFIX』(フジテレビ系)でこの題材を取材したディレクターが、旧知の大杉さんに主演を依頼。この番組を観ていた大杉さんがぜひ演じてみたいと快諾した、本人もやる気満々だった映画です」(前出・スポーツ紙デスク)
「主役」を演じる作品を控えての逝去。これも「永遠のバイプレイヤー」大杉漣さん伝説の一つとなるのかもしれない──。
(窪田史郎)