ハンカチ王子が王様ぶりを発揮している。昨年、現役生活に終止符を打った斎藤佑樹氏(33)は、目下、順風満帆なセカンドキャリアを構築中だが、舞台裏では強気のギャラ設定と独善的な言動で、大ヒンシュクを買っていたのだ。
「あの講演内容で150万円のギャラは高すぎる。選手や監督で実績を残した落合博満氏でも、今は100万円もしませんからね」
呆れ顔で話すのは、さるイベント会社のスタッフである。斎藤氏は引退後に、自らの名前を冠した個人事務所「株式会社斎藤佑樹」を設立。代表取締役として第二の人生をスタートさせた。事業の大きな柱のひとつが、企業向けの講演会活動だ。前出のスタッフがため息混じりに続ける。
「現役の末期の時点で取り決めたギャラは50万円程度で、なじみのある企業に声をかけて4件の講演会を受注しました。それが、引退して間もない12月中旬に、『すでに受けている仕事はやりますが、今後は150万以下の講演会の仕事はやらない』と言い出したんです。なんでも、この時点でCM、テレビ、YouTubeなどの出演オファーが600件以上舞い込んでおり、『身一つで仕事を選ばなきゃならないから』と説明されました」
ユニクロやキリンビールのCMをはじめ、ラジオのパーソナリティー、バラエティー番組のレポーター、カメラ趣味が高じた写真展の開催など、まさに“ハンカチバブル”の真っ只中。
最低150万円という高額設定だけに、さぞや貴重な“金言”が拝聴できるかと思いきや‥‥。1月に関東某所で開催された講演会の出席者はこう語る。
「さすが、早稲田卒だけあってトークは理路整然としていました。だけど、プロ野球時代のマル秘情報は皆無で、口から出るのは、中学時代にイチからチームを立ち上げた武勇伝や『野球界に恩返ししたい』などの美辞麗句ばかり。しかも、現役時代さながらのポーカーフェイスと単調なテンポが相まって、爆睡する人が続出。自虐ネタで笑いを誘うも、誰も気づかずにスルーされていました」
現役時代は何度も札幌ドームを満員にした“持ってる男”の集客力にもケチがつき始めていた。
「コロナ禍で、フルキャパでない50%を上限にした会場だとしても空席が目立ちました。BtoC企業の主催で、顧客を無料で招待していたのに(笑)。今後はオファーすることはないでしょう」(前出・スタッフ)
別のイベントでは舞台裏でトラブルまで勃発。4月9日の日本海オセアンリーグ・石川ミリオンスターズの開幕戦でのこと。ゲストとして招かれた斎藤氏は、始球式に登場して、球場に集まった700人弱のファンを沸かせた。
球界関係者が言うには、
「もともと始球式だけでなく、抽選会や試合後のサイン会を予定してプレスリリースも出していた」
とのことだが、当の本人は球場入りするや、
「1球だけ投げたら帰ります」
涼しい顔でこう言い放って周囲をア然とさせたというのだ。
「主催者サイドはきちんとホテルを押さえた上で、前夜に本人と打ち合わせを兼ねて会食したんです。酔っ払う前にきちんと説明した旨を告げたものの、すっとぼけて関係者一同を呆れさせました。そればかりか、一連のイベント終了後、マネージャーを通してギャラの増額を要求してきたんです」(前出・球界関係者)
なお、翌日の同カードでは、とんねるず・石橋貴明とTIM・ゴルゴ松本がゲストとして登場、約2000人もの集客に貢献した。この「低コスパ」に汚れたハンカチ王子は何を思うのか。