「右肩はボロボロで悲鳴を上げていた。直球の球速は130キロ出るか出ないか。多少変化球でタイミングをズラせても、5~6球目にはファームの打者ですら真芯で捉えられる始末なんだから。あれじゃ、独立リーグでも通用しないよ」
さる球界OBが沈鬱な表情で明かすのは、10月1日に現役引退を発表した、日本ハム・斎藤佑樹(33)の現状である。スポーツ紙デスクがあとを引き取って言う。
「ここ数年は、2年目に損傷した右肩関節唇の症状が芳しくありませんでした。9月20日のイースタンのDeNA戦後にそれが悪化。激痛に痺れを伴う症状は日常生活にも支障をきたしたといいます。そのまま予定していた28日のイースタン・巨人戦の登板を回避。22日に吉村浩GMとの話し合いの場を設けて引退の決意を報告したそうです」
遠征先の大阪で斎藤の引退を聞かされた栗山英樹監督(60)は、相当ショックを受けていたという。
「23日のオリックス戦時は目に見えて落ち込んでいた。前日は負け試合でも饒舌に取材に答えていたのに、この日が何を聞かれても歯切れが悪く、わずか1分ほどでロッカールームに引き上げてしまいました。球団からは来季の監督続投要請が出ていましたが『佑樹が辞めて、俺が辞めないわけにはいかない』と、まるで後を追うように断りを入れたんです」(球界関係者)
高校、大学時代からプロ入団直後にかけて大フィーバーを巻き起こした「ハンカチ王子」がついにユニフォームを脱ぐ。しかし、ここぞとばかりに並び立てられるのは美辞麗句ばかり。10月12日発売の「週刊アサヒ芸能」10月21日号では、監督の去就にまで影響を及ぼした斎藤引退の舞台裏と、わずか通算15勝に終わった無残な裏面史について詳報している。