芸能

「暴力VS性欲」歌舞伎で復活できた香川照之とNG続行中の渡部建「決定的な違い」とは何か

 銀座クラブホステスの肌着を剥ぎ取り、髪の毛をつかんで乱暴狼藉に及んだ「3年前の性加害」が発覚し、ドラマやCMを降板した香川照之が歌舞伎役者・市川中車として12月6日、十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」の昼の部「鞘當」で舞台復帰した。鑑賞した女性客が言う。

「先月の市川團十郎、新之助の襲名披露でも壇上に上がった香川さんは、ずっと下を向いて神妙な面持ちでした。本格復帰になった今回は、謹慎中に稽古をしていたのか、声もよく出ていましたよ。香川さんの酒乱ぶりは、以前から噂されていました。復帰を批判する人達、團十郎や中車を快く思わない梨園の重鎮のご贔屓筋もいるでしょうが、そういう人たちは最初から襲名披露を見に来ないのでは」

 今回の復帰の舞台裏を、歌舞伎関係者が明かす。

「かつて自身の酒癖の悪さで暴力事件に巻き込まれた團十郎が、香川照之に救いの手を差し伸べました。自身と新之助の将来を思えば、ここで中車に恩を売っておくのは悪いことじゃない。父親のスキャンダルの渦中、健気にも『8月納涼歌舞伎』を続けた香川の長男・市川團子には同情が集まり、チケットも売れた。襲名披露公演のチケットが売れ残っている團十郎と、事件でテレビに出られなくなった中車。襲名公演への中車出演はお互いウインウインなのです。興行主の松竹にしても、チケットが売れ残るよりはマシと思っている」

 香川が早々に復帰できたのに対し、地上波復帰の話が出るたびに潰されるのが「多目的トイレ騒動」で謹慎中の、アンジャッシュ・渡部建だ。香川と渡部の間にある「越えられない壁」は何か。テレビ制作スタッフが語る。

「香川の狂気じみた演技を見慣れている視聴者は、性加害報道も『あれは演技ではなく地だったのか』と一笑に付しました。芸能人の過去の不貞騒動でも、沢村一樹や原田龍二のようにバラエティー番組でいやらしさを売りにしていた俳優は想定内なのか、ダメージが少ない。それに対し、食通を気取り、高級レストランに通っていた渡部が六本木ヒルズの多目的トイレでコトに及んだというのは、あまりにセコすぎる。渡部がMCだった『王様のブランチ』(TBS系)でスキャンダルについて説明した際には、アシスタントの佐藤栞里がショックで泣き出したほどです。今後も女性タレントの所属事務所から共演NGを食らう可能性は高いでしょう」

 さらに決定的なのが、多目的トイレは障害者や乳幼児連れが利用する場所だという点だった。香川の一件は銀座のクラブという閉鎖的な空間で、六本木ヒルズの多目的トイレは不特定多数の来場者が使う施設。

「利用者にしてみれば『これが、あの多目的トイレ…』と生々しく思い出される。多目的トイレしか利用できない障害者、子供連れにとっては許されざる行為で、復帰しようものなら苦情が殺到するのは目に見えています」(前出・テレビ制作スタッフ)

 失ったものは大きすぎたのである。

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