香川照之の長男で歌舞伎俳優の市川團子が、絶賛されている。従兄弟おじにあたる市川猿之助が救急搬送されてから中1日の準備期間で「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の昼の部「不死鳥よ 波濤(はとう)を越えて─平家物語異聞─」の主演代役を見事に演じ切ったのだ。
壇ノ浦の戦いで敗れた平知盛が一度は自死を選ぶも、生き延びて大陸に渡ったというストーリーとセリフ回しが猿之助と被ることもあり、メディアも観客も團子に惜しみない声援を送るが、気掛かりなのは「團子をめぐるヤッカミとイジメ」だと、歌舞伎関係者が話す。
「もともと團子は、歌舞伎役者になるはずではありせんでした。猿之助が警察の事情聴取に『死んで生まれ変わろうと両親が薬を』と供述していると聞いて、猿之助の伯父にあたる先代の猿之助、猿翁の強烈な言葉を思い出しました。猿翁は香川が1歳の頃、藤間紫と駆け落ちした。のちに香川が訪ねてきた時に『私は家庭と訣別した瞬間から生まれ変わった。だから今の僕とあなたとは何の関わりもない。あなたは息子ではない。二度と会うことはない』と言い放って絶縁したのです。このため、スーパー歌舞伎は猿翁の弟子だった人気役者の市川右近(現・3代目市川右團次)と甥の亀治郎(今の猿之助)が後を継ぐと思われました」
ところが猿翁の晩年に、2人は電撃和解。2011年に猿之助が4代目猿之助を襲名するとともに、香川と團子の梨園入りが発表されると
「香川と元妻、團子へのよからぬ行為が始まったのです」
と前出の関係者は、憤りながら話す。
「ある歌舞伎界の大物が、團子の名前こそ出さなかったものの、本人のブログで〈世襲は環境である。血統が有ってもちゃんと鍛えられなければ只の駄馬〉と、当時7歳だった團子を相手に、実に大人気ない『口撃』を繰り広げました。役者だけでなく音楽担当、舞踊担当、裏方…香川親子への風当たりは凄まじかったといいます。梨園には香川や猿之助の人気をやっかむ勢力がある。今回、猿之助の代役は團子と、中村錦之助や中村嘉葎雄を大叔父に持つ中村隼人が務めていますが、猿之助の性的ハラスメントを問題にするなら、幼い團子を抑えようとした勢力も成敗しなければ、何の解決にもなりません。團子と中村隼人の舞台は連日満員の大盛況。このままでは、彼らの人気をやっかむ『歌舞伎界の怪物』達に、今度は團子と隼人が潰されかねない」
團子の「倍返し」は始まるのか。