城田氏といえば、思い出されるのは06年3月、スケート連盟の巨額使途不明金が明らかになった一件。当時の久永勝一郎会長が背任容疑で逮捕され、城田氏の自宅にも家宅捜索が入った。結局、彼女はおとがめなしに終わったが、久永会長の右腕だったこともあり、スケート連盟の役職を離れたという経緯がある。
「女帝」としてスケート業界で隠然たる力を持っていた城田氏は羽生に対し、力技とも言える強行な工作を仕掛けている。スケートメディア関係者が明かす。
「12年夏の、『費用はスケート連盟が持つから、カナダの(名コーチである)ブライアン・オーサー氏のもとに行くように』という指示がそれです。城田氏が秘密裡に羽生の両親を説得したんですが、半ば命令のようだったと聞いています」
当時、高校3年生の羽生は、仙台のリンクで女性コーチの指導を受けていたが、「先生、今日でおしまいです」と突然、師弟の縁を切ることになったのである。
「本来ならスケート連盟が、女性コーチや練習リンクに対してしかるべき手順を踏むべきだったのに、それを羽生本人に言わせたんです。突然の縁切りに女性コーチは大ショックを受けたし、羽生も自己嫌悪に陥り、『(オーサー氏のところに)行きたくない』と泣きじゃくっていました」(リンク関係者)
C社は羽生という絶対的切り札を囲い込み、恐怖支配することで、スケート業界では随一の力を誇示することになる。
「従業員12人という会社ながら、売り上げが17年度は20億円以上もある優良企業。さらにC社は『アイスクリスタル』という、アイススケート競技の普及支援を目的として作られた組織を運営していますが、実態は、優先的にチケットを購入するために会員として入会するファンがほとんどです。入会金1500円、年会費5500円を支払い、どうにかしてアイスショーのチケットを取ろうと、涙ぐましい努力をする。そのチケットも、2万円前後もするわけです‥‥」(前出・スケートメディア関係者)
一説には、C社と城田氏によるこうした貪り行状が原因となってか、
「昨年暮れから、城田氏と羽生の間にヒビが入っているという情報もあるんですが‥‥」(スケート連盟関係者)
さらに、両者のイビツな関係に反発する勢力も。前出・スケートメディア関係者が嘆息する。
「羽生人気というのは実はほぼ日本だけのもので、ワールドワイドではそれほどでもない。それを報道することは半ばタブーとなっています。だから(羽生が出演する)国際的なアイスショーは企画されておらず、日本国内限定になっている。そうした状況下で、羽生を動かせる人物が一部に限られていることに、スケート業界から不満の声が上がっているのも事実です」
華麗なスケーティングの裏に、こんなドロドロした欲望が渦巻いていることなど、羽生自身は望んでいないだろう。