森友学園の土地売却問題で、前代未聞の「隠蔽」「公文書改ざん」が発覚し、財務省と政府は連日、猛烈に責め立てられている。何しろ、改ざんを命じられ、実務を担ったとされる近畿財務局の上席国有財産管理官が自死する事態にまで発展したのだ。
「森友文書」の原本で改ざん、削除されていたものの中には、土地の激安売却に深く関わった疑惑が持たれている総理夫人・安倍昭恵氏の名前も。野党各党は「国民を欺く前代未聞の組織犯罪」として、麻生太郎財務相兼副総の即時辞任を求めるとともに、安倍晋三総理にも引導を渡すべく気勢を上げている。
当時の責任者たる佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問の可能性が高まる中、政権内でひときわ憤慨しているのが麻生氏だと報じているのが3月19日発売の「週刊アサヒ芸能」である。同誌によると、
「オレをクビにしたら安倍政権は持たない──」
麻生氏はそう公言して、激しい怒りを表明しているという。
森友疑惑においては、財務相であるという以外、自分には関わりがなく、あくまで、副総理という立場からと、麻生氏は安倍政権を支えてきた。ところが一連の騒動で、野党どころか与党の一部からもにわかに湧き起こった「財務相を辞任すべき」の大合唱が麻生氏の怒りを決定的なものにしたという。自民党有力議員が明かす。
「安倍総理は『麻生氏は辞任させない』と言っているが、麻生氏はこれが独特の政治用語であることを知っている。『こう言っておいて泣いて馬謖を斬る』は、政界ではよくあるパターンだからだ。それだけに、麻生氏の腹の中では今、『オレのクビを切って、安倍と菅が生き残る?そんな身勝手はオレが許さない』との怒りが燃えたぎっている。そもそも、森友疑惑の種は安倍総理と昭恵夫人が蒔いたもの。この間、尻ぬぐい役をさせられてきた麻生氏だけに、『フザけるな、お前のせいだろ!』とばかりに、怒りに震えていると…」
総理に見切りをつけた麻生氏がみずからの派閥をどう動かすかで、今後、安倍総理が目指している自民党総裁3選は極めて危うくなってくる。それどころか、世論次第は内閣総辞職に追い込まれる大政局に発展する可能性もあるのが──。