騒動勃発から1カ月以上経過しても鎮火の気配が見えない「森友大火」。火に油を注ぐのは、そもそも事件の発端ともなった総理夫人の軽率な言動だ。日々明るみに出る疑惑に嘆息が漏れるばかりだが、ついには内閣を全焼させかねない、詐欺師との密接な関係までが浮上したのである。
安倍晋三総理(62)の怒りが頂点に達している。民進党を中心とした「責任追及」に対し、官邸でもイラだちを隠せず、さる番記者は、
「度を越している! 4月解散して潰してやる!」
と、非現実的な施策を持ち出すほど感情をあらわにする姿を目撃したというのだ。
実際、追い詰められた安倍総理は、やや冷静さを欠いていた。
3月23日、衆参予算委員会にて学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長(64)への証人喚問でのこと。
虚偽の証言が罪に問われる場で籠池氏は、あらためて官邸に真っ向から対峙するだけでなく、新たなバクダンまで明るみに出したのである。
「理事長が送った小学校建設予定地における定期借地契約の延長を求めた手紙に対し、昭恵夫人(54)の秘書を務める政府職員がFAXで返答していたことが明るみに出た。菅義偉官房長官(68)は『彼女(政府職員)が個人で作成した』と語りましたが、FAXには『本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております』と明記されており、夫人には(土地の売買への)認識があったと見られています」(政治部記者)
ここで尾を引くのが騒動当初の2月17日。衆院予算委員会で、安倍総理が「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」と、いきなりタンカを切ってしまった。昭恵夫人の言動が夫の命取りとなりかねない事態に発展したのである。
「理事長は15年9月、昭恵夫人が塚本幼稚園に講演に訪れた際、100万円の寄付金を受け取ったという主張もしているが、たとえ事実だとしても違法性はない。しかし、認めてしまえば、辞任せざるをえなくなる。そのため政府は『ゼロ回答』や『忖度だ』と苦しい答えを連発せざるをえなくなった。民進党を中心とした野党や反安倍メディアはここぞとばかりに、連日追い打ちをかけています」(前出・政治部記者)
政治家人生最大の失言と言っても過言ではない発言により、自縄自縛に陥った安倍内閣。懐刀の菅官房長官も落胆の色を隠しきれていないという。さる永田町関係者が解説する。
「そもそも菅氏は証人喚問には反対していました。裏で橋下徹氏(47)と結託し、鎮火へ動いていたため、敵に新たな“燃料”を投じる必要はなかったからです」
まだ国有地払い下げが騒動の中心だった、3月上旬のことだ。
「菅官房長官は『どこまで飛び火するかわからないので大阪府の問題にしてほしい』と、橋下氏に要請していたんです。いまだに密な関係を築き、憲法改正という維新の悲願は、橋下氏の悲願でもあるのです。すでにトランプ政権から“お墨付き”を得ていると言われるため、憲法改正のためには国政を停滞させるべきではない。さらには政府に恩を売っておけば、17年度早々と噂されている内閣改造において、維新の人間を送り込む交渉材料にできますからね」(前出・永田町関係者)
橋下氏は自身のツイッターで、幾度となく“援護射撃”を展開。森友学園から小学校設置基準の緩和要望を受けて承認したことに触れ、〈僕が知事をやっていたときに規制緩和と審査体制強化をワンセットでやらなければなりませんでした。ここは僕の失態です〉と、責任をまるかぶり。さらには、松井一郎大阪府知事(54)とともに国会で証言する意まで表明している。
「ところが、“私人”である昭恵夫人へのバッシングが腹に据えかねた安倍総理が証人喚問を強行してしまったのです」(前出・永田町関係者)
ここまで時の総理に守られながら、昭恵夫人はなおも夫を追い詰めていく。表に出ていない「余罪」はまだあったのだ。