安倍内閣を根底から揺るがす前代未聞の「隠蔽」「公文書改ざん」が発覚するや、財務省と政府は連日、猛烈に責めたてられている。「防波堤」となって総理夫妻の大失態の尻ぬぐいにあたる「盟友」も、コトここに至ってついに爆発。もはや瓦解を待つだけの、崖っぷち政権の怒号内幕を全部バラす。
3月12日、財務省は森友学園への国有地売却を巡る決裁文書が偽造されていた事実をついに認めた。
原本から改ざん、削除されていたのは、消された総理夫人・安倍昭恵氏(55)の名前を含め、その数は実に300カ所以上。財務省から説明を受けた野党各党は「国民を欺く前代未聞の組織犯罪」として、麻生太郎財務相(77)の即時辞任を求めるとともに、安倍晋三総理(63)にも引導を渡すべく気勢を上げている。
いや、厳しい批判の声は自民党内からも飛び出している。最初のノロシを上げたのは、筆頭副幹事長を務める小泉進次郎氏(36)だった。
「なぜ書き換えたのか、何が真実なのか。そこが知りたい。自民党は官僚だけに責任を押しつける政党ではない。その姿を見せる必要があるのではないか」
自民党の若きプリンスとして鳴らす進次郎氏がこうブチ上げれば、元財務副大臣で「うるさ方」として知られる村上誠一郎氏(65)も、次のように公然とも言える政権批判を口にした。
「そろそろ大所高所の判断をすべき時に来ているのではないか。ハッキリ申し上げて、(森友学園問題の)出発点は全て安倍さんだ。政権のトップとして、猛省していただきたい」
「一強」を誇った盤石体制から急転直下、まさかの崖っぷちに立たされた安倍政権。そんな中、財務相とともに副総理も兼務する麻生氏が周囲に漏らしたとされるのが次の言葉だ。
「オレをクビにしたら安倍政権はもたない──」
受け取り方によっては多様な解釈も可能な、謎めいた言い回し。だが、マスコミも真意を測りかねているその麻生氏のつぶやきについて、麻生派に所属する有力議員の一人は次のように明かすのだ。
「だから安倍はオレをクビにできない‥‥。見方によっては自己保身とも受け取られかねないこんな言葉をなぜ吐いたのか。実際、この言葉が麻生さんの周囲、つまり麻生派の幹部を通じてマスコミ各社に流れるや、安倍総理は麻生さんを辞任させるつもりはない旨を表明している。しかし、麻生さんは地位に恋々とするタイプではない。ズバリ、今回の発言は総理に対する『激しい怒り』の表明だよ」
麻生氏といえば、総理の女房役である菅義偉官房長官(69)とともに、安倍政権を支えてきた二大柱の一人である。その麻生氏が安倍総理に激怒しているとはどういうことなのか。真相に迫るには、時計の針を少しだけ巻き戻す必要がある。
決裁文書偽造問題を巡る事態が大きく動いたキッカケは、近畿財務局で森友側との交渉に当たっていた上席国有財産管理官・A氏の自殺だった。A氏を知る近畿財務局関係者の証言。
「上席管理官といっても、A氏はいわゆるノンキャリア組。森友側との国有地払い下げ交渉では、本省財務局や近畿財務局のキャリア官僚らの指示のもと、8億円以上にも上る異例の値引き、その後の違法な決裁文書の書き換えなど、したくもない汚れ仕事をやらされていた。森友疑惑が国会で問題となる中、良心の呵責やプレッシャーに耐えられなくなったのか、A氏はしだいに心身の不調を訴えるようになり、昨年秋からは完全に休職していました」