さて、ここまでは顔に起こるさまざまなシグナルについて説明してきた。続いては顔の各パーツと内臓との相関関係について解説してもらおう。
頭頂部は腎臓や膀胱と相関関係があり、目の下は腎臓、左こめかみは脾臓、鼻は心臓、唇は胃と腸(消化管)、口の周りは生殖器などと深く関わっているとされる。
「例えば、眉と眉の間に横ジワができている時は、肺の機能低下が疑われ、眉間に縦ジワができている時は、肝臓にも縦ジワができていると考えられます。肝臓にストレスがかかって肝機能が低下すると、血液がうまく浄化されないため、汚れた血液が体内を循環してしまい、結果、イライラして眉間のシワが険しくなる。つまり、眉間のシワが増えたり深くなることはすなわち肝臓が硬くなっていることを表しているんです」(三浦氏)
眉間の中央が膨れている場合は、肝臓肥大か脂肪肝の疑いがあり、
「原因は甘いものや動物性脂肪のとりすぎで、中性脂肪が高い脂質異常症でもこの兆候が現れる場合がある。中性脂肪が高い人は、上まぶたや下まぶたに黄色い脂肪腫ができることもあります」(三浦氏)
さらに眉間の右寄りにシワができたり腫れたりしてきたら、糖尿病の可能性があるという。
「とにかく、肝臓の状態は目に現れる。昨日はなかったシワが現れたら要注意だと思ってください」(三浦氏)
また、頬には肺機能低下の兆候が現れてくる。
「テレビ番組などで、『デブキャラ』と言われ、頬が黒ずんでいるタレントを見かけることがありますが、これは肥満によって肺が圧迫されているから。頬の右側が黒ずんでいる場合は右の肺、左側が黒ずんでいる場合は左の肺が弱っている可能性が高い。肺の下部に滞りがある時は、眉間の横ジワができる場合もあるので、あわせてチェックしてみてください」(三浦氏)
耳も目と同様に、全身の状態が反映されているという。
「耳には360個のツボがあると言われ、現代医学でも耳介療法が活用されています。耳の形はちょうど人体が逆さまになっている状態で、体の各機関に対応する反応点があると言われています」(三浦氏)
そんな耳で最もわかりやすいのが、脳卒中の前兆。
「ちょうど頭部の反応点にあたる耳たぶに、今にも切れそうなくらい深いシワができていたら、脳梗塞や脳出血を起こす可能性があります。大事に至る前に予防・改善の対策をとるべき」(三浦氏)