1時間以上待たされて、診察はたったの3分。しかもパソコンから目を離さず患者の顔を見ることもない医師たち。でも、実は顔にこそ隠れた病気を示すサインがはっきり現れている。そんな目からウロコの最新診断法を初公開!!
横浜市に住む栃沢正さん(48)=仮名=の鼻に突如、くっきりとした血管が浮き上がり始めたのは3カ月ほど前のことだった。
「痛みもないし、最初はおや、どうしたんだろう、という程度だったんですが、だんだん血管の浮き出る面積が大きくなって‥‥」
他に自覚症状がなかったため、そのまま放置。ところが、程なくして仕事中に倒れ、救急搬送。急性の心疾患だった。幸い命は助かったものの、
「気がつかないうちに高血圧になっていたらしく、搬送時の血圧は上が200。処置が遅れていたら危なかったと。恐らく鼻の異常は高血圧のサインだったんですね。以来、毎朝必ず自分の顔をチェックするようになりましたよ」(栃沢さん)
よく、顔には「その人の人生が現れる」と言われる。だが、実は内臓の不調が端的に表れるという。
「顔の変化には驚くほど多くの情報が詰まっている。なので毎日鏡を見て何か変化があれば、内臓が弱っているのかな、と察して食べ物を選んだり不摂生を改めることができる。つまり、健康を維持するためには、顔から出るサインを見逃さないことが重要なんです」
そう語るのは「顔を見れば隠れた病気がわかる」(マキノ出版)の著者・三浦直樹医師だ。三浦医師は大阪にある「みうらクリニック」院長で、天城流望診法の師範でもある。
「望診法とは、視覚によって病状を判断する東洋医学に古くから伝わる診断法の一つ。東洋医学には望診のほか、問診、聞診(匂いや音など、鼻と耳を使って得た情報から病状を判断する)、切診(患者の身体に直接触れて病状を判断する)という四診があり、望診の中で『顔』に特化したものが『顔診法』という診断法なんです」(三浦医師)
クリニックでも治療に取り入れている顔診法は「天城流湯治法」の創設者・杉本錬堂氏が体系化したもので、三浦医師は父親をガンで亡くしたことで西洋医学に疑問を持ち、00年から望診法を独学で勉強。14年に杉本氏と知り合い、「天城流湯治法」を学ぶようになったという。
「実は人の顔つきや体つきには、その後の運勢まで左右するようなさまざまな情報が示されています。ところが、最近の医師はパソコンの画像ばかり見て、まともに問診もしなくなった。確かに血液検査や画像検査は有効です。でも、異常が出るのは病気を発症してから。それ以前の『未病』の段階で察知するためには、顔や体の変化をしっかり観察することが重要です」(三浦医師)
例えば、胃カメラで異常がなくても、「唇の端」が切れていたら「胃腸が弱っているな」と判断できるため、大きな不調につながる前に注意を促すことができる。
「大きな病気になる前に気づき、自分でケアすることができれば医者に通うこともないので医療費が節減できる。さらに、自分自身も快適な生活を送れるので一石二鳥というわけです」(三浦医師)