5月7日放送の情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)で、他局の番組内容を解説するという“珍現象”が起こった。
番組では、米大リーグ・マリナーズのイチローが会長付き特別補佐に就任したことについてトークを展開。イチローは引退もせず、練習にも参加できるが、今シーズンの残り試合に出場しないという、異例の契約を交わしたことを発表していた。これについて、MCを務める羽鳥慎一キャスターは「聞いてみましょう、この方の意見を」と切り出した。“この方”というのは野球評論家の張本勲氏。周知のように張本氏は日曜午前放送の情報番組「サンデーモーニング」(TBS系)の名物コーナー「週刊・御意見番」に出演しており、「喝」や「あっぱれ」など独自の評価で注目を集めている。6日分の放送では、イチローの待遇について言及していた。この日の「モーニングショー」では、前日6日放送の「サンデーモーニング」に出演した張本氏の主張に対して、コメンテーターでテレビ朝日報道局の玉川徹氏らが意見を交わすという異例の展開となったのだが、最初はよかった。張本氏の「マリナーズに喝ですよ。練習はさせるけど、ゲームには出さない? おあずけしているみたいでひどいじゃないですか」の発言に玉川氏も同意の様子。しかし、マリナーズが来年開催する日本での開幕戦についての張本氏のコメントが問題だった。
「日本(開幕戦)に来るのなら背広で来て、オーナー代行で、1チームを引き連れて『私が作ったチームを見てください』と(イチローに)発言してもらいたい」
このコメントに玉川氏は、「このへんから何だかわからなくなる。意味がわからない」と首を傾げる始末だった。スポーツ紙記者の話。
「張本氏は、イチローが中途半端な状態ではなく、引退するなら引退して、オーナー代行のような役職に専念してほしいという気持ちだったと思いますが、ちょっと説明不足でしたね」
羽鳥も「完全に引退ということで、イチローさんにチームを任せて、ということだと思うんですけど」と、張本氏の補足説明。玉川氏は「張本さんの発言を解説する人が誰もいないんだよね、あの番組」と番組の説明不足を指摘。「張本さんの番組、解説しているのはこの番組くらい」と羽鳥も仕方がない様子だった。ここは、張本氏に「モーニングショー」に出てもらうのが手っ取り早いか?
(石田英明)