肝心の戦力はどうか。何といっても新戦力で注目すべきは昨季セ・リーグ最低のチーム打率2割4分3厘に沈んだ打線にメスを入れるべく、その起爆剤として今オフ獲得した4番候補のギャレット・ジョーンズ(34)だ。パイレーツなどメジャー8年間で通算122本塁打をマークした経歴を誇る期待の長距離砲だが、キャンプではその実力に開始早々から疑問符が付けられている。巨人番記者は、こう解説する。
「フリー打撃でサク越えがほとんどないんですよ。バットの真芯で捉えるような当たりもあまりない。カーブマシンにてこずって空振りする場面もあったことから『変化球に対応できないのではないか』ともささやかれています。さらには、左腕投手を苦にしているというデータもあって、昨季途中に獲得して大失敗した“歴史的ダメ外国人”のホアン・フランシスコ(28)にタイプが似ていると指摘する声まで聞こえ始めている。視察に訪れた各球団のスコアラーも『インパクトを感じられない』と口をそろえ、今のところまったく警戒していないようです」
オープン戦も始まっていない段階から「答え」を出すのは確かにまだ早い。それでも鳴り物入りで獲得したはずの主砲候補に、あの“フランシスコの影”までチラつき始めていることは由伸監督ら現場スタッフ、球団幹部たちも内心気が気ではないはずだ。
それだけではない。このように全体的に見て歯車がいまひとつかみ合っていない感のある宮崎キャンプで、第2クール最終日の9日にはちょっとした“事件”もあった。週刊アサヒ芸能でも数回にわたって既報した「原前監督のフィクサー」と呼ばれるあのX氏が宮崎キャンプに姿を見せたのだ。
民放局のスポーツ担当ディレクターが声を潜めながら話す。
「メディア関係者であるX氏は専属の評論家を引き連れて1日だけ取材に訪れたのですが、やはり巨人の関係者は色めき立っていましたよ。昨季まで原前監督のアドバイザー的役割を果たしていたX氏については球団側も一挙一動をまったく把握できず、いいように振り回されていた。原前監督が退任し、今季からX氏は巨人と距離を置くだろうと思われていたところに、当の本人がキャンプにやって来たわけですからね。しかも、かつて昵懇の仲と言われながらしばらく距離を置いていたはずの由伸監督にX氏が最近になって水面下で再接近しているという怪情報が流れていることにも、一部の球団関係者は神経をとがらせている。『球団内にX氏のスパイが忍び込んでいる』という話も飛び交っていますからね。いちおう、この日のX氏は特に目立った動きをしていなかったようですが‥‥」
2016年シーズンに臨む巨人のキャンプからは、いつ何時“暴発”の事態が起きても不思議ではない兆候が見え隠れしている。