ライブチケットの高額転売を防ぐために、チケット購入者の本人確認を厳重に行うアーティストも増えてきたが、それゆえ、残念なトラブルが起こってしまったようだ。
5月2日に行われた安室奈美恵の東京ドーム公演に参加する予定だったファンが、チケットを持っていたにもかかわらず入場拒否されたという一部始終をツイッターで明かし、大きな波紋を呼んでいる。そのファンによれば、会場の入場ゲートで本人確認を求められ、顔写真付きの精神障害者保健福祉手帳を提出したところ、「国が発行したものではない」という理由で入場を拒否されたという。その後、ファンは一度、地元の駅に戻るもあきらめきれず、もう一度会場に戻り、スタッフに抗議すると、スタッフは「ダメです」の一点張りだったとか。しかし、しばらくして幹部スタッフが現れ、状況は一転し「これはちゃんとした身分証なので使える」と判断はいったん覆ったそうだ。
ただ、この時点でライブはすでに終盤。その後チケット会社の社員が現れたといい、そこで謝罪と返金があるのかと思いきや、社員はそのファンが入るべき入場ゲートで「障害者手帳での入場を断った記録がない」といった理由で、不備を認めなかったとのこと。そのため、そのファンは結局、この日のライブには参加できず、返金も認められなかったというのだ。
「入場ゲート近くに防犯カメラが設置されていることもあり、障害者手帳での入場を断った記録がないというのであれば、防犯カメラの映像を確認するようにそのファンは訴えたといいますが、取り合ってもらえなかったそうです。参加する予定であった公演は9月で芸能界引退を表明している安室のライブですから、参加できなかっただけでつらいはずなのに、この対応が事実ならあんまりですね。スタッフ側に不手際があったことは明らかなだけにせめてしっかりと謝罪はしてほしいところ。そもそも、障害者手帳はチケット販売会社が指定していた身分証の中に含まれていましたから、それが提出して使用できないという判断が大問題ですよ。対応したのが仮にアルバイトのスタッフだとしても、チケット販売サイトが定めた規定ぐらいはスタッフ全体で共有させてほしいものです」(エンタメ誌ライター)
本当ならばゆゆしき問題だろう。セキュリティーを厳しくするのもいいが、こうしたトラブルで、正規のルートでチケットを手に入れたファンがライブに参加できないという事態だけは起こってほしくないものだ。
(本多ヒロシ)