それではどうやって悪徳中国人は日本人に近づいてくるのか。偽装結婚ビジネス事情を知る暴力団組織相談役のX氏がこう明かす。
「国際結婚で中国に続いて多いフィリピン妻は、勤務先のパブで日本人と出会うケースが一般的だけど、中国人がターゲットにするのは日本の田舎町だよ。まず日本語を話せるブローカーが町に行って、地元の飲み屋で人脈を作るんだ。1人で飲んでるオッサン、年寄りに話しかけて、独身だとわかったら、『婚活している中国人女性なら紹介できる』ってエサをまいていく。日本人の男の立場から見たら、田舎町で外国人と生活したら、フィリピン人や欧米人だと目立って、あらぬ噂を立てられるよな。その点、中国人だと顔が日本人に近いから、町になじみやすいんだ」
ブローカーの間では「豪雪地帯」「農家」「畜産業」など狙いやすい地域や職業の特徴がリストアップされているという。一方で中国に住むブローカーは、男性の希望に沿った中国人女性を次々と集めていた。
「中国のウェブサイトで募集すると、すぐに応募者からの問い合わせが来るよ。北京や上海の都市部は経済的に潤ってるから、地方からの応募者がほとんど。日本でも在日中国人向けのフリーペーパーで『黒転白(ヘイ・ジャン・パイ)』って広告を出して募集することがある。これは中国語のスラングで、在留資格のない状態で日本にいる中国人が、合法的に資格を与えられるという意味が含まれてるんだ。偽装結婚のやり方とか遺族年金のもらい方まで、丁寧に指南してるよ」(X氏)
日本人男性がお見合いする時には、「日本の生活にあこがれる中国人女性」として紹介されるので、在留資格や金銭目的だと気づかれることはなく、信じ込んでしまうのだ。
「もともと偽装結婚ビジネスを生業とするブローカーの中では、それほど『遺族年金』の存在を知っているヤツはいなかったようだな。ところが日本人を紹介してやった中国人妻から、夫が亡くなったあとも年金がもらえるって情報が来て、しだいに中国人ブローカーの間にも口コミで広まっていったんだ。最近では、日本で闇営業に近い中国エステで働く中国人にも、日本人の夫を亡くした未亡人が増えていて、税金を払うことなく、自分の稼ぎと合わせて『遺族年金』を小遣い感覚で懐に入れている話をよく聞くな」(X氏)
日本人夫には一刻も早く死んでほしいから、お見合い相手には、「60歳以上」の男性を希望する、ナメた中国人も少なくないという。
実際、そうした中国人妻との結婚は、思い描いた理想とは遠くかけ離れ、ドロ沼の夫婦生活が待っている。