現在のフィギュアスケートの女王、ロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手が、現在所属するロシアのクラブに在籍した形のまま、練習拠点を羽生結弦選手が所属するカナダの「クリケットクラブ」へ移すという。羽生選手の師であるブライアン・オーサーコーチに指導を受けるというのだ。
2017‐2018シーズンの後半は足の疲労骨折で休養を余儀なくされ、平昌五輪では自国の新星、アリーナ・ザギトワ選手に敗れ、後の世界選手権もドクターストップで出場がかなわなかったメドベージェワ選手。平昌五輪後には、現在のエテリ・トゥトベリーゼコーチとの間に“不協和音”も囁かれていた。
「いつも五輪後には、オーサーコーチのもとに指導を仰ぎたいというオファーがたくさん来るそうですが、まさかメドベージェワ選手から打診されるとは、オーサーコーチも思ってもいなかったようです。オーサーコーチによると、これまでメドベージェワ選手とは試合会場で会釈するくらいの関係でしかなかったとか。それでも、オーサーコーチも、メドベージェワ選手とコーチとの関係不和の噂は聞いており、4月2日にメドベージェワ選手自身から連絡があり、韓国でのアイスショーの際に面談をしたいと言われた時は『もしや』と思ったそうです。その後、4月22日にメドベージェワ選手の母親とともに韓国で面談を行い、正式に指導を受けたいという希望を聞かされたとのことですね」(スポーツライター)
オーサーコーチは、指導を受けたいという希望にはなるべく応えようとしてきたが、数年前から、自分が面倒を見きれない人数を取ることはやめたと自著で語っている。そんなオーサーコーチがメドベージェワ選手を受け入れたのは、レベルの高い選手の指導がオーサーコーチにとっても魅力なのだろう。
「羽生選手もオーサーコーチのもとで練習を続けることにしたそうですから、6月にカナダに移るといわれるメドベージェワ選手と羽生選手が一緒にリンクにいる姿がまもなく見られることになるでしょう。となれば、世界中から氷も解かすような羨望と嫉妬の視線が、メドベージェワ選手に注がれますよ。何しろメドベージェワ選手は羽生選手のファンであることを公言していましたし、これまでも羽生選手の誕生日にはプレゼントをあげたり、仲睦まじいツーショット写真をSNSにあげたりしてきています。エキシビジョンなどで選手が一斉に滑る時にも、いつの間にか羽生選手の隣にいるなど、彼女の積極性はファンの間では有名です。クラブでの練習は選手によってプログラムが違うとはいえ、一緒に時を過ごすことも増え、気遣いのできる羽生選手ですから慣れないメドベージェワ選手に先輩として親切に教えてあげることもあるでしょう。もともと羽生選手のことが大好きなうえに、そんなに優しくされては、新天地で心細い思いをしている心に響くことは間違いないはず」(前出・スポーツライター)
オーサーコーチの名指導もさることながら、あこがれの羽生選手がいることもメドベージェワ選手がカナダを練習拠点に選んだ大きな理由だったろう。となれば今後の2人の「急接近」も気になってしまうのだ。
(芝公子)