ベネッセコーポレーション「進研ゼミ・高1講座」、横浜八景島シーパラダイス、日本瓦斯(ニチガス)、ピザーラなど計12本。これはいま、出川哲朗が抱えているCM本数だ。そう、かつての嫌われ者が大ブレイクしているのである。
「芸歴30年以上の出川ですが、2015年まで担当していたCMはわずか3~4本。ところがその年2月22日、『『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で、各国へ出向きさまざまなミッションを遂行する人気企画『出川哲朗はじめてのおつかい』がスタートします。英語がまったくできない彼が、そのバイタリティと精神力だけで外国人と対峙する姿が感動を呼び人気爆発。今の出川人気につながりました」(芸能ライター)
それに加えて彼の「老化」もまた、その人気に拍車をかけているという。
「もともと言い間違いが多い出川ですが、『イッテQ!』での過去映像を確認してみると特に噛むこともなく、ロケのアシスタントである女性タレント、今で言う出川ガールとやり取りしているのが見受けられます。それが年々、“おじいちゃん”化していることで、嫌悪感を持って見ていた視聴者も、彼への見方がやさしくなったのだと思われます」(前出・芸能ライター)
去る5月4日に放送された旅番組「ウンナン出川バカリの超!休み方改革」(フジテレビ系)で、学生時代からの盟友・内村光良が出川のブレイクについて触れ、「不思議でしようがない。今、すごいブレイクしてんのが」と心境を明かし、「うれしいです。純粋に。あの哲ちゃんが」と喜んでいた。
だが、出川は、その裏で健康上の不安を常に抱えている。
「持病である椎間板ヘルニアはこれまで何度か再発。さらに高血圧に睡眠時無呼吸症候群でもあります。去年9月には胆管炎のために入院し、約1週間の入院を余儀なくされました。もちろんのロケ時におけるケガも絶えません」(前出・芸能ライター)
つまり今の出川はまさに「満身創痍」ということになるが、それでも彼はリアクションし続けるだろう。その時彼が獲得する肩書きは「老人の星」ではないか。高齢社会の日本にとっての輝かしい「スター」となっていくはずだ。還暦まであと6年。彼はその時も、鼻をザリガニにはさまれ、ワサビ寿司を食べ、バンジーを飛ぶことだろう。
(魚住新司/写真:パシャ)