また、閉店間際に値引きセールを行わないスーパーは、その日に売り切ろうという姿勢がなく、売れ残った鮮魚を再加工し、翌日、新しい消費・賞味期限のシールを貼って販売している可能性が高いという。河岸氏が続けて、こんな現状について解説する。
「食品表示法では加工日(製造日)を『最終加工した日』と定義しています。刺身は魚を切った日だけでなく、ラップした日でもラベルを貼った日でも何でもいい。消費・賞味期限についても、一度決めた期限を変更してはいけないという法律が存在しないため、不正を行おうとすればいくらでもできます」
精肉でも同様のことが行われており、「古い肉」が横行。卵についても、産卵日表示のないものは古い卵が使われているケースがある。なぜなら、パック詰めした日を製造日とすることができるからだ。しかも多くのスーパーで、このパック詰め日から起算した消費期限を設定、販売しているという。さらに驚くのは、「パック詰めした場所」が原産地になりうるというカラクリだ。
河岸氏いわく、
「だからこそ、肉や魚などは加工者の所在地がそのスーパーと同じであるかどうかをチェックすることが必要になります。例えば、スーパーの所在地が東京なのに加工者が関東以外なら、外注の工場でパック詰めしたものを運んできている可能性が高い。当然、その距離が遠ければ遠いほど、うまみ成分であるドリップも出てしまい、新鮮さを失っているということです」
魚や肉のパック内に、赤い汁が出ているのを見かけたことがあるだろう。ドリップとはその汁のことであり、すなわちうまみ成分なのだ。このドリップがたまったところを見計らい、拭き取って再パックする。そんなスーパーも少なくないというから要注意である。
スーパーに厨房があるからといって「店内で調理している」と思ったら大間違い。業者から刺身の状態で仕入れ、それを厨房でパックするだけのスーパーも少なくないという。もちろん、これは魚に限ったことではなく、肉でも同様だ。
さて、氷水に半分ほどだけ浸かったサンマをゲットした記者は、次に精肉・食肉加工食品売り場へ。妻からのメールには「ロースハム3パックセット」「豚挽き肉300グラム」とある。そういえば、この間食べた挽き肉、少し独特のニオイがしたけど、あれは何だったのかなぁ‥‥。