5月30日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)に生出演した「第71回カンヌ国際映画祭」で最高賞のパルムドールに輝いた映画「万引き家族」の脚本、監督を務めた是枝裕和氏。映画監督として一本立ちする前にテレビ番組の制作会社に勤め、アシスタントディレクター(AD)をしていた頃を振り返った。
「ボクはADとしては無能だったので、まったく現場で使えず、毎日怒られてばかりいた。だから人に怒られることが怖いんです。自分が怒られて怖かったからボクは人を怒りません」と、映画監督となった現在も、役者を怒ることはないと語った。さらに子役に対してはセリフを現場で指示しながら撮影するため、セリフを覚えてから現場に来てもらうことはないと説明。
今回の「万引き家族」に出演した小学6年生の城桧吏だけでなく、2004年度「第57回カンヌ国際映画祭」で、史上最年少および日本人初の最優秀主演男優賞を獲得して大きな話題を呼んだ「誰も知らない」主演の柳楽優弥に対してもそうだったと明かした。さらに同映画で柳楽の母親役を演じたYOUがVTR出演すると「あの人もセリフは覚えてこなかった」と話し、スタジオは笑いに包まれた。
「是枝監督は『テレビマンユニオン』という大手制作会社に勤務していた時代に『ニューヨークに行きたいかぁー!』のセリフでおなじみの視聴者参加型クイズ番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系)でADをしていたことがあるんです。現在は独立していますが、ずっといい関係を継続しているんでしょう。そういった人間関係を大事にする人だからこそ、人を束ねることができ、いい作品が作れるのではないでしょうか」(映画製作スタッフ)
今後も、是枝監督のもとには優秀なキャストやスタッフが集まってくるのだろう。