悪質タックル問題で揺れる日本大学が理事会を開き、それを指示した“張本人”の内田正人前監督の常務理事職の辞任を決定した(6月1日)。世論は先の釈明会見で「言葉の乖離」なる説明にカチンときたが、今回の発表にも“怒りの質問”がぶつけられた。
「なぜ、解任ではなく辞任なのか!?」
発表した大塚吉兵衛学長は同日立ち上げた第三者委員会の報告を待って「追加処分することも」と含みを持たせたが、報道陣は首を傾げるばかりだった。
「前日、内田氏から辞任の申し出の連絡があり、大学職員が入院先まで辞表を取りに行きました。辞任の理由は『世間を騒がせたこと』、学内規定により、謹慎6カ月となりますが、常務理事を辞任した今も、人事部長、保険体育審議会事務局長の肩書は残っています」(大学関係者)
アメフト部の監督は即辞任だったが、常務職は「いったん離れて」と未練がましいことを言っていたのも思い出される。
「2020年、現在の田中英寿理事長が退き、会長か名誉理事長になると言われ、後任に噂されていたのが内田氏でした」
と明かす前出の大学関係者によれば、内田氏の年収は2000万円前後で、理事長は3000万円以上だという。今後、内田氏が日大を追われることになった場合、「解任」ならば、退職金は出ない。
内田氏が辞任のままで、退職できたとすれば、今後は、高額な退職金も予想される。ヒラの学校職員、講師らの給料はフツーだという日大だが、事件後、大学内から内田批判、田中体制へのバッシングが出たのは、「幹部役員の高額給料」に対するやっかみもあったのかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)