カンヌ映画祭で「パルム・ドール」を受賞した「万引き家族」。上映会場では約9分ものスタンディングオベーションを巻き起こした話題作に華を添えたのが、安藤サクラ(32)と松岡茉優(23)が魅せた渾身の体当たり演技だった。
安藤は夫役のリリー・フランキーを相手にいきなりキスを要求したかと思えば、馬乗りになって体を求めるシーンも…。そして松岡はといえば、制服姿であられもない痴態を客に見せつける「女子高生を見学するクラブ」で働く場面で、ピンク色のアンダーウエア姿をおしげもなく披露しているのだ。だが、歴代のカンヌ受賞作を振り返れば、多くの“レジェンド女優”たちがギリギリの演技で観客を魅了していた。
さかのぼること21年前にパルム・ドールを受賞した今村昌平監督の「うなぎ」(松竹・97年)で、ワケありの女を演じるのが清水美沙(47)。映画中盤では薄明かりの寝室で、田口トモロヲ(60)を相手に激しい“腰振り演技”を披露。
「ア~、アァ~ン」
清水はイヤイヤするように首を振って悶えまくる。快感に耐え切れなくなった清水はその声が同居する家族に聞かれないように、毛布を口に噛んで歓喜の声を押し殺すのだ。
同じく今村作品「黒い雨」(東映・89年)では、当時三十路の故・田中好子が広島・原爆投下直後に被曝した女性の壮絶な半生を好演するとともに、入浴シーンでは、そのまっさらな上半身がスクリーンいっぱいに映し出される。
5月29日発売の「週刊アサヒ芸能」では、歴代の「カンヌ女優」の演技を総チェック。あき竹城(71)、倍賞美津子(71)、京マチ子(94)ら日本が世界に誇る大女優の名演技にフォーカスを当てている。