女優の松岡茉優が9月25日、東京都内で開催された第31回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見に出席し、同映画祭のアンバサダーを任されたことを発表。また、先日他界した女優の樹木希林さんへのあこがれの気持ちなども述べている。
是枝裕和監督作でカンヌ国際映画祭ではパルムドールをも受賞する快挙を達成した映画「万引き家族」において、劇中でも樹木希林さんとの死別を演じた松岡は、9月15日に死去した樹木さんについて、「思い出は、それはそれはたくさんある宝物。何だろうなぁ…。でも悲しいなぁという気持ちはあまりなくて」「映画(万引き家族)の中で一度お別れをしています。そこで、“ありがとう”をたくさん言えました。2度目のお別れのような感じがしてますので」などとコメントし、「さらに勉強して樹木さんのようになりたいし、次の世代に渡せる存在になりたいと決意している次第です」とも加え、将来的な“野望”も語った。
映画「万引き家族」では生活苦から盗難を繰り返す家族の一員で、自身も夜の店でカラダを使った仕事に勤しむという難しい役柄を演じ切った松岡。キュートなルックスやテレビ番組での円滑な司会進行ぶりが好評を博す彼女だが、その確かな演技力に花マル評価を付ける業界人も多いという。
「ヒットメーカーの是枝監督と松岡がともに『万引き家族』の、あるプロモーションイベントに参加した際、是枝が『万引き家族』のキャスティングには10代、20代、30代などの“各年代から最も演技のうまい役者だけをそろえた”と明かし、隣にいた松岡は『今の聞きました? 私20代ですよ! 20代は他にもたくさんすごい方いますよ!』などと舞い上がっていたのが印象的です。世界にも名を馳せる日本を代表する映画監督である是枝からそのように評され、50代のリリー・フランキー、70代の樹木希林さん、30代の安藤サクラといった実力者らとともに同作を盛り上げた松岡は、今後も同業者から熱視線を浴び続けることは必至かもしれませんね」(映画誌ライター)
ルックスやスタイルの良さといった容姿の人気に助けられる形で主演を張る“アイドル女優”が増えつつある昨今の映画界において、松岡茉優は体当たりで作品に向き合う“ルックス良し、演技良し”の稀有な存在ということだろうか。
少なくとも是枝裕和監督の太鼓判は、“樹木希林さんを目指す”松岡にとってはこの上なく心強いものとなったかもしれない。
(木村慎吾)