前回のブラジルW杯で本田圭佑(31)ら一部の日本代表選手が「目標は優勝」と宣言していたことも、世界のサッカーを長年見てきた経験からすれば、思わず「喝」を入れずにはいられなかったという。
「昨年、元スペイン代表選手のフェルナンド・モリエンテス(42)に会った時、日本代表にアドバイスを求めたら、『サッカー大国でもないのに、優勝したこともないのに、優勝なんて口にするな』と言っていました。つまり、目の前の一試合一試合を全力で戦って勝つことが大事だと。世界と比べて自分たちのレベルがわかっていれば、もっと現実的な目標が出るはず。変に勘違いしているんです。日本はFIFAランキング60位ですよ。俺たちは下手なんだから、とにかく気持ちで走って頑張るしかないぞ、って。かっこつけている場合じゃないんです」
本大会まで残された時間がない中、もしも「小柳ジャパン」としてチーム作りを任されることになったとしたら、
「まずは根性を叩き直したい。相手の胸を借りて謙虚な気持ちを持ったうえで、全員にハードワークをさせます。とにかく『弱者の思想』を忘れずに戦うことが大切なことなのです」
この「再生プラン」に加え、中心選手として期待される本田にはさらなる厳しい助言が必要なようだ。監督目線で小柳が気になったと語るのは、本田が密着取材を受けた5月14日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)。番組の最後に出演者に行う恒例の質問が「プロフェッショナルとは?」だが、本田はこう言い放った。
「プロフェッショナルとは、ケイスケホンダ。どういうことか? プロフェッショナルを今後、ケイスケホンダにしてしまえばいい」
このホンダ流「迷言」に、小柳からは一発レッドカードが掲げられた。
「そこが本田選手のよくないところだと思います。驕ってない? プロだったらそういう発言はしませんよ。世界一のメッシがそんなこと言いますか。あくまで謙虚でいいんです。評価は他人が決めること。人として大人になって成熟すれば、本田選手のプレーはもっと違ってくるでしょう。私が監督なら、まず1対1で面談します。番組での発言も含めて、こういうところは直したほうがいい、このプレーはすばらしいと伝えます。最近はクラブチームの運営など実業家の『顔』が前に出始め、選手として100%のエネルギーを注いでいない印象を受けますね。私の好きな選手であり、日本代表に必要だからこそ、あえて言わせてもらいます」
密着番組でのトンデモ発言だけではなく、勝利に導くゴールで日本列島を沸かせてほしいものだ。