芸能界にサッカーファンは数おれど、この人の熱量はNo.1。試合を分析した観戦ノートをつけ、テレビ解説にも登場するほどだ。そんな大御所歌手が彼女だからゆえの、本職にはなかなか言えない直言を独自視点でズバッと語り尽くす!
歌手・女優として活躍する小柳ルミ子(65)が持つ「もう一つの顔」。それが、芸能界屈指のサッカー通という一面である。睡眠時間を削ってまで年間2000試合を観戦、分析するハマリっぷりで、この4月に自身初のサッカー著書「パスコースがない? じゃあ、つくればいい。」(東京書籍)を発売すると、たちまち重版が決まる売れ行きなのだ。
本大会でポーランド、コロンビア、セネガルと対戦する日本代表は、強豪国相手の準備不足が不安視されているが、そもそも4年前のブラジル大会で1分2敗して惨敗。以来、日本サッカーは強くなっているのか。ここは「サッカー観戦者・小柳ルミ子」の見解を聞かねばなるまい。すると、一刀両断、なんとも歯切れがいい。
「率直に言えば、進化していないと思います。日本人選手の技術が上がっているようには見えないし、それ以上に世界の選手はさらに努力しているので、力の差は縮まっていません。もっと自分たちの実力を謙虚に受け止めてほしい。アルゼンチン代表のリオネル・メッシ(30)は、ボールをっている時にパスコースがなければ、相手ディフェンダーの体重移動などを見ながら、細かいボールタッチで揺さぶり、スペースを作り出します。ところが、日本代表の選手は技術に裏打ちされた自信がないため、同じプレーができません。2メートル先のゴール前であたふたと慌ててしまい、なんでもっと落ち着いてプレーできないのか、歯がゆくてしかたありません」
西野新体制の初陣となった5月30日の親善試合ガーナ戦のメンバー発表では、今季ポルトガルリーグで「10ゴール12アシスト」の中島翔哉(23)が落選。会見で西野監督は「ポリバレント(複数ポジションをこなす)ではなかった」とリストから外した理由を説明したのだが‥‥。
「全然理解できないですよね。ポリバレントの前に、点を取るスペシャリストがいないと試合に勝てませんよ。中島選手がいれば自分でゴールを決められるし、チームのために汗もかける。サッカー経験のない私がわかっていて、なぜプロの監督がわからないのか不思議なんです。じゃあ、選ばれた選手にスペシャリストがいるのかというと、なかなか厳しい状況にあります。だからこそ選ばれた選手には、がむしゃらにゴールに向かう姿勢を見せてほしいですね」