6月8日に通算1000試合出場を達成し、この日の大勝にも貢献した丸佳浩。1日には、復帰後初の本塁打を放って猛打賞も記録し、広島打線も息を吹き返している。緒方孝市監督もひと安心といった心境だろう。
「丸が右大腿裏を故障したのは4月14日で、この日に至るまでの広島打線は『1試合平均』で4.92点を挙げていたのに、丸を欠いて以降は3点台でした。数字を見てもわかる通り、丸は単なる中核打者ではなく、いてもらわなければ困る存在です」(球界関係者)
その丸の周辺を騒がせているのが、今オフ取得する国内FA権の話だ。丸自身は何も語っていないが、各メディアは「巨人が獲得に乗り出す」など、権利行使を規制路線のように扱っている。
「緒方監督の前でその話をするのは、絶対ダメ。不機嫌になるので」(スポーツ紙記者)
緒方監督にとっては、思い入れの強い選手でもあるようだ。二軍監督時代から目を掛けていた。「生え抜き、たたき上げ、巨人がちょっかい」。奇しくも、師匠・緒方と丸はここまで同じ道を歩んでいる。緒方監督は広島に残って今日があるが、丸が残留するかどうかを決めるのは、これからだ。
「昨年オフの契約更新で、丸は大幅昇給を勝ち取りましたが、笑顔はありませんでした。丸はタイトル料を希望し、球団は『出せない』と。会見であまり機嫌が良くなかったのはそのためでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
タイトル料を出すかどうかが、残留のカギになるかもしれない。全国区の人気球団に成長した広島は黒字経営で、タイトル料も出そうと思えば出せるはず。緒方監督が連覇と丸残留のため、みずからフロントに根回しする可能性もありそうだ。
(スポーツライター・飯山満)