プロ野球12球団の春季キャンプが2月1日から一斉にスタートした。中でもひときわ注目を集めているのは、巨人にFAで加入した丸佳浩と、人的補償で広島へ移籍した長野久義の“バトル”であろう。
巨人・宮崎キャンプで早くも“丸効果”が発揮されている。
シューッ! シューッ!──。1球ごとに独特の掛け声とともにスイングするなど、とにかく丸の一挙一動に巨人の選手たちがくぎ付け。黙々とバットを振り、全メニューが終了しても時にみずから居残って特打に励む。巨人に移籍しても広島時代と同じスタイルを貫く背番号8の姿に感化され、ジャイアンツの面々の多くが今まで以上に厳しい練習を積み上げるようになったのだ。さらにG主力たちを驚かせているのは丸のマッチョボディだという。
「それほど大きくない体格ですが、アンダーシャツを脱ぐとアンバランスとも思えるような筋骨隆々の肉体美で、チーム内からは『まるでミケランジェロのようだ』と驚嘆の声が沸き起こっているんです。丸に刺激されて『自分たちも鍛え上げなきゃいけない』というムードで、空いた時間を使ってウェイトトレーニングに励む選手が増えています」(某主力選手)
巨人・丸はチームに強烈なインパクトを与えているようだが、一方、巨人のキャンプ地・青島から南へ約40キロの日南で広島の“赤チョーさん”こと長野も、また連日のように大きな話題を振りまいている。
1日700スイングをこなす日もあり、カープ名物の竹竿素振りも積極果敢に行っているのだ。別メニュー調整やVIP待遇になっているわけでもなく、他のカープメンバーと同じように“カープ流”で黙々と汗を流す毎日。若手メンバーからも「日本一厳しいと言われるカープのキャンプメニューに移籍早々から付いてきている長野さんはさすが」などと激賞されているほどである。
事情を知る球界関係者は、長野がカープ移籍でモチベーションを高めている理由を、こう打ち明ける。
「長野の心中には阿部慎之助がマスコミ相手に発した『一番練習しないヤツだった』との言葉が突き刺さっている。入団会見で『“練習しない”というのには誤解がある』と強調したのは、この言葉に対する静かな反発でした。加えて原辰徳監督が、自分と内海哲也が人的補償で巨人を去らなければいけなくなったことに『足し算、引き算』という言葉を使ったことにもショックを抱いたといいます。長野がすでに気持ちを切り替えていても、古巣からいろいろな“雑音”が耳に入ってくることにはカチンと来ている。“打倒巨人”が猛烈なやる気につながっているようです」
それぞれがチームを活性化させているキャンプの詳細は、2月12日発売のアサヒ芸能2月21日号でレポートしている。