開幕からまる2カ月、セ・リーグの順位変動が激しさを増している。各チームが連勝しては連敗に突入する泣き笑いを繰り返し、まさにジェットコースターのようだ。
気づいたら首位を快走し始めた広島だが、開幕当初のチームは投打ともに絶不調だった。それが怒濤のV字回復を成し遂げたのにはきっかけがあった。4月17日、熊本での巨人戦だったという。1点を負う9回2死から大逆転劇のミラクル勝利のポイントは、8回の巨人の攻撃でかつての同僚・丸佳浩が放った勝ち越し2ランにあった。
とある球界関係者は主力選手からこう打ち明けられたという。
「もしもあの試合でうちが負けてしまったら、あの人(丸)がヒーローになっていた。自分たちの目の前でそれだけは絶対にさせたくないと皆が死ぬ気で猛奮起したんです。うちを裏切って出て行った人に自分たちが踏み台にされるなんて、それ以上の屈辱はないですからね」
再三の引き留め要請にも首を縦に振らず、FA権行使でカープから巨人へ移籍した丸に「いい格好だけはさせまい」と一致団結。その結果、丸不在でも自分たちは戦力的に何も問題がないという自信を深めたことにより「チームの雰囲気が明らかにガラリと変わった」というのだ。
一方、ここに来て急失速しているのが巨人である。開幕2戦目から6連勝を果たすなど当初は首位を快走していたが、猛烈な追い上げを見せた広島にセ頂点の座を明け渡すと、ついに5月は月間負け越し。スタートダッシュから一転して厳しい戦いを強いられている。
そもそも今季は、東京ドームに“ホームアドバンテージ”がなくなりつつある。勝敗数は11勝12敗の負け越し(5月31日時点、以下同)。本拠地とは思えない苦戦ぶりだ。
その原因ともっぱらなのは、今季から東京ドームのマウンドが原辰徳監督の強い意向を受けて改良され、メジャーリーグ仕様に近い硬質の土へと変更されたことだ。これが大半の投手陣に不評を買っているのである。巨人番記者が明かす。
「とある中堅投手が『本音を言えば、とても投げにくい。今まで特に問題がなかったのに急に変える意味がわからない』とこぼしていた。その投手によれば、多くの投手が『ホームの東京ドームで負けさせたいのか!』とブチ切れているそうです」
このほかにも、6月4日発売の週刊アサヒ芸能6月13日号ではセ6球団のジェットコースターぶりをレポートしている。