大学アメフトの試合で起こった傷害事件。加害者側の日本大学の「指導者と選手の乖離」という回答に被害者側が不満を隠さず、収束に向かう様子は微塵もない。選手に反則を指示したとされる日大の内田正人監督が見解や謝罪を発表することなく姿をくらましていることが、ますます被害者側を刺激している様相だ。
「あの選手の反則は『アンネセサリー・ラフネス』。不必要に危険なプレーには15ヤードの罰則が与えられます。この反則自体は特別珍しいものとは言えませんが、QB(クォーター・バック)が投げた3秒後にタックルするなんて、世界中のどのアメフトのビデオを見てもありえません。これは間違いなく大事になると思いました。タックルした選手は大学の日本代表にも選ばれる実力者。よもやルールを知らないなんてことがあるはずがない。加害者である選手が、もし監督からのプレッシャーで精神的に追い詰められてあんな愚行に及んでしまったのなら、退部、退学、ともすれば自死することもありえます。被害を受けた選手はもちろんですが、加害者の選手もケアしなければならないでしょう」(現役の大学アメフト部監督)
また、内田監督の権力はアメフトに限ったことではないという。内田監督に選手として見込まれれば、厳しいことにも耐えられるうえに上下関係もしっかりしている、「内田監督のお墨付き」ということで大手企業に就職できる。逆に途中で投げ出したり見放されたりすれば、やはり就職の際に悪評を吹聴されかねない。
さらに、内田監督は日大の常務理事で人事を担当する要職に就いており、発言権は絶大。大学の中でも内田監督に意見できる人間はいなかったようだ。
果たして、名門チームのこの不祥事。どんな結末を迎えるのか。