シアトルマリナーズに“急増二塁手”のディー・ゴードンがスタメンに帰ってきた。ゴードンは二塁を守った経験こそあれ、今季は「センターのレギュラー」が予定されていた。ゴードンのコンバートを受けて、チームは外野手もトレード補強している。イチローが事実上の引退を意味する「会長付特別補佐」に着任した後に、である。このチグハグな補強に対し、地元ファンは「外野手をトレード補強するくらいなら、イチローを引退させなければ良かったのに」と、首を傾げていた。
「5月に正二塁手のカノーに禁止薬物の使用が発覚し、80試合の出場停止となりました。そこで、ゴードンがコンバートされましたが、一時期、故障でチームを離れていました」(特派記者)
ここで、代役二塁手をトレード補強すると思われたが、マリナーズは外野手と救援投手を獲得。ゴードンの故障は長引かないとわかっていたものの、地元ファンが「イチローがかわいそう」と騒ぎ始めたのだ。
「どうも、マリナーズも大リーグ機構にルール確認を求めたらしい。一度、選手登録を抹消した選手の復帰は可能なのか、と。そして、機構側の返答は、同一シーズンではダメというものでした」(米国人ライター)
マリナーズが行った緊急トレードの本命は、リリーフ投手だったという。商談が複数トレードで話が進み、「もう一人」のポジションについて強く言えなくなってしまったとの見方もある。
「カノーの薬物物使用疑惑は以前からありました。二塁手・カノーがいなくなる時のことも想定しておくべきだった」(前出・米国人ライター)
イチローは今もチームに帯同し、練習も続けている。会長付特別補佐に祭り上げたのもそうだが、「もう少し考えてから行動してくれ」という心境ではないか。
(スポーツライター・飯山満)