“メモ魔”高橋由伸監督は、今季で見納めか…。
巨人が上昇機運を掴めないまま、ペナントレースを折り返そうとしている。パ交流戦も8勝10敗と負け越し、今年も広島の独走を許すようなことになれば、読売グループも考えなければならないだろう。
「4季連続でのV逸となれば、球団史上ワーストです。かといって、目ぼしい適任者も見当たりません」(ベテラン記者)
松井秀喜氏がいるが、色よい返事はしていないという。高橋監督の後を引き継ぐことになれば、「チーム再建、若手育成」が主テーマとなる。V逸のワースト更新も避けなければならないので、「勝利と育成の同時進行」という、もっとも難しい舵取りを迫られる。急浮上してきたのが、原辰徳氏の3度目の登板だという。
「高橋体制をバッグアップするために導入したのが、最新鋭のデータ分析機・トラックマンです」(前出・ベテラン記者)
このマシンは投手の投げるボールの回転数や、打球の角度など約80項目を数値化できるそうだ。対戦投手の特徴を数字でわかりやすく伝えられるとのことだが、昨今、高橋監督が試合中にメモを取っているのは、それに感化されたからだという。
「6月14日の福岡ソフトバンク戦、陽岱鋼が一塁を駆け抜けた際、アウトと判定されましたが、微妙なタイミングでした。映像確認を要求すると思ったら、高橋監督はワンテンポ遅れて出てきて、次イニングの選手交代を告げただけ」(スポーツ紙記者)
メモに気を取られて、陽が一塁ベースを駆け抜ける瞬間を「見ていなかった」なんて皮肉も聞かれた。導入したデータ解析機が裏目に出たとなれば、それこそ皮肉な話だ。
(スポーツライター・飯山満)