フェアプレーポイントをアンフェアなやり方で奪い取った──世界からそんな批判が集まった、6月28日のW杯グループステージ「日本対ポーランド」。熱心なサポーターも予想できなかった、後味の悪い戦いとなってしまったことは否めないかも。勝ち点、得失点差、総得点など、すべてが同条件の場合に適用され、警告(イエローカード)の数で優劣が決まる、今大会から導入されたフェアプレーポイント。結局、セネガルよりイエローが2枚少なかった日本が、史上初のこの制度で決勝トーナメントに進出。試合後ににわかサポーターで盛り上がる渋谷では、喜びのあまり(?)警官の帽子を奪って逮捕者も出たほどの大騒ぎに。
「渋谷に関しては、あのような試合の終わりかたでよくそこまでテンションが上がるものだと思いましたが、もしかしたらイラ立ちによるテンションかも(笑)。そうも思えてしまうほど、見ているこちらも歯がゆい試合でした。実際ネット上でも『初めて応援したけどクソつまらなかった』『負けてるチームのボール回しは初めて見た』『ラグビーやバスケットボールでは絶対に不可能な談合』など、国内からも思った以上の批判がありましたから、世界のメディアが日本をバッシングするのは当然でしょうね。『他の国だってやったはずだ』と擁護する声も少なからずありますが、どう言おうとも実際にやったのは日本代表。その“タラレバ”は説得力ありません。それまでの2戦で世界にサムライブルー魂を見せつけ、評価がうなぎ上りだっただけに、悔しい気持ちだったファンも多いことでしょう」(スポーツ紙記者)
イギリスのBBCは〈最後の10分は恥ずかしい展開。ワールドカップでは見たくなかった〉、アメリカのワシントンポストは〈それは醜いものだった〉と筆致は辛辣そのもの。各国とも、ルール自体に問題があるとしながらも、そのスキを突いた日本代表への苦言を呈す多かった。
ところが、そんな中、日本を擁護してくれたサッカー大国があったという。
「スペインです。『Marca』紙という有名メディアが『アキラ・ニシノは、自分たちが勝者だと胸を張っていい』と西野監督の戦術を評価。川島の多くのセービングや、リスクを承知で落ち着いたボール回しをした選手を称賛してくれました。『それまでフェアに戦ってきた日本へのご褒美』というわけです。一方で、カードの差で敗れたセネガルのアリウ・シセ監督には、同情のコメントも出していました」(前出・スポーツ紙記者)
もう時計は巻き戻せない。日本時間で7月2日深夜にキックオフとなるベルギー戦で、日本を見限った各国を見返してほしい。そう願っているサポーターがきっとたくさんいるはず!
(飯野さつき)