いよいよ初戦を迎えたW杯日本代表。開幕直前での監督交代劇のゴタゴタに続き、今度は衰えが著しい「ビッグマウス」に対し、若手を中心に反旗を翻す異常事態に。1次リーグでも「3強1弱」と揶揄されるサムライブルーに起きたクーデターの全容に迫る。
本田圭佑(32)を巡る代表チームの不協和音が発覚したのは、6月8日のスイスとの強化試合でのことだった。現地入りしているテレビ局中継スタッフが語る。
「ワントップで先発し、前半40分で負傷交代したFW大迫勇也(28)が、心配された腰の状態よりも、試合内容そのものに対して愚痴ったんです。攻撃面では『もっとセンタリングが欲しい』と話し、最前線から守備に追われる時間が長かったことを聞かれると、『相手に走らされて厳しかった。あのやり方だと、誰でも30分で死ぬ』とまで言い切っていた」
翌9日のスポーツ紙では「戦術批判」とも書かれたものだが、矛先は決して「監督采配」に向けられたのではなかった。テレビ局中継スタッフが続ける。
「スイスに完敗し、FIFAランクが61位まで下がる中、西野朗監督(63)は『危機感はまったく感じてない』と話してはいたが、そこにかみついたわけじゃない。指揮官の立場は察していて、批判の対象はズバリ、本田と宇佐美貴史(26)でした」
実際、誰の目にも、戦術ではなく、前線の本田と宇佐美のパフォーマンスに問題があると映っていた。大迫発言にDF長友佑都(31)とMF原口元気(27)が同調し、
「長友は『僕が映像を見て、(前線の選手が)ここは絶対スプリントで前に行かないといけないというところで、全然行けてないと感じた』と言えば、原口も『そのとおりだと思います。今のサッカーは、本当にスプリントしないと点が取れない』と、思いのたけを語っていた」(サッカージャーナリスト)
これまで本田批判は、チーム内ではタブー視されていた。だが、ハリルホジッチ前監督時代は、“蚊帳の外”だった本田が、西野監督就任により、「精神的支柱」としてのチームリーダー役を期待されるほどに復権。そのことに、若手が一気に危機感を強めた結果、本田包囲網のクーデターが起きたのだ。
「本田といえば、14年のブラジル大会でも『優勝する』と宣言したものの、結果は1分け2敗で『ビッグマウス』と批判されたほど。しかも“走れない”本田の衰えぶりは一目瞭然。チームメートから戦犯扱いされてもしかたない状況です。それでも本田は『(過去の2大会よりも)今がいちばんいい状態』と、報道陣を前に豪語。またもや『優勝』の二文字を口にした(苦笑)。本田のあまりにもビッグマウスな言動に、チーム内からも『消えてくれ』といった趣旨の発言も飛び出したといいます」(別のサッカージャーナリスト)
若手の危機意識は相当なもののようで、4年前からなんら進歩しないロートルに容赦ないコメントが同時多発したほどだった。
「3日のオーストリア合宿で、原口が『彼(本田)に当てた時は、他の選手よりもワンテンポ遅いくらいで出て行ったほうが合うと思います』と言ったのを皮切りに、柴崎岳(26)も『まだ前線のボールの動かし方とか、攻撃面の整理ができていない。ちょっとちぐはぐな印象がある。チームがスピードアップしていけるようなボールを出していけたら』と語るなど、暗に本田に対しダメ出ししています」(スポーツ紙デスク)
4年前の中心選手はもはや「老害」同然になっているのが現状なのだ。