21世紀に入ると、せつないラブストーリーのアイコンとしてセーラー服が復活。きっかけとなった「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年、東宝)は、“セカチュー現象”を巻き起こすほどのメガヒット。悲劇のヒロインを演じた長澤まさみの制服姿が光った。
これに続いたのが、ケータイ小説を映画化した新垣結衣主演の「恋空」(07年、東宝)で、興行収入39億円の大ヒット。美少女研究家の高倉文紀氏が言う。
「10代の子がブレイクする条件として、制服が似合う作品にきちんと出ていることがあります。新垣結衣は『恋空』やドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)もそうだし、ダンスが有名になった『ポッキー』のCMも前フリの学生服の着こなしがとても印象的でした」
こうしたファンタジーと一線を画すのが、社会問題にもなった「バトル・ロワイヤル」(00年、東映)だ。
ある中学のクラス40人が、最後の1人になるまで殺し合うことを命じられ、上映中止を求める国会議員までいたほど。
藤原竜也を筆頭に個性的なキャストが並ぶが、不良少女の相馬光子を演じた柴咲コウが抜群にいい。鎌を片手に次々とクラスメイトを殺戮し、制服のブレザーも白いブラウスも返り血で染まりながら、女豹のような鋭い表情。大河ドラマの主演女優も張った押しも押されもせぬ演技力の原点がここにあった。
最後は、現在最高のヒットメーカーの一人である有村架純だ。15年に公開された主演作「ストロボ・エッジ」「ビリギャル」(ともに東宝)は、いずれも興行収入が10億円を突破。可憐な制服姿には、幅広い層のファンがいる。
「どの世代にとっても『ああいう子いたな』と思わせるところがある。決して優等生ではないけれど、さわやかさと健気なマジメさが持ち味。実年齢が上回っても、長く女子高生を演じることができた」(前出・高倉氏)
胸きゅん映画よ、いつまでも。