長嶋茂雄の長男として生まれ、物質的には何の苦労も知らない“おぼっちゃん”としてのイメージが定着。いいものばかりを食べ過ぎ20代前半で痛風になったこともあるらしい…そんな長嶋一茂がここに来てにわかにブレイク。今年上半期のテレビ出演数は112本(オリコン調べ)で、昨年上半期の本数は51本だったいうからまさに倍増。本人いわく「オレは嫌われ者だから…」と斜に構えるが、何がそんなに視聴者に受けているのか。
去る7月13日の「羽鳥慎一のモーニングショー」(テレビ朝日系)にそのヒントがあるかもしれない。この日は、タイで2週間以上洞窟に閉じ込められた地元の少年12人に、当時一緒だった元僧侶のコーチが瞑想することを指示し、救助隊の発見時には、瞑想効果のためか誰も泣いたりパニックになっている子どもはいなかったというニュースを報じた。そこから、現在アップルなどの企業でも採用されているマインドフルネス(ストレス低減法)という新しい瞑想法の話題に移ったのだが、ここで、一茂が熱弁を振るうこと振るうこと。
「ボクはね、毎日朝、必ず“瞑想”やっているんですよ、でも不安とか悩みはゼロにはならない。物欲まで消そうとは思っていないので。悟りを開くまではできないけど」「座禅組まなくてもこんなふうに座っていても、ベッドで寝てても立ってても、瞑想ってどこでもできる。大事なのはイメージなんですよ。イメージング」「パニック状態になる人っていうのは、吐く息が短い、呼吸が荒くなっている。要するに呼吸で吐くことは、脳のデトックスですよ。人間というのは出すのが先、出せば入ってくる。脳のデトックスを先にすると、入ってくるんです」
自宅でもできる手軽な瞑想法の説明もあったが、一茂が披露したのは、その際に思い浮かべるというちょっとギョッとする内容だった。
「ボクはすごくネガティブなイメージを持って瞑想するんです。死の瞑想をするんですね。毎朝、虎とかライオンとかに、殺されて、頭がガリガリかじられて、五体がバラバラになって、血まみれになって死ぬっていう瞑想をするんです。それで1回死ぬんです。でも、その変わり朝起きたことに対してお祈りはするんですよ、生きてることに感謝するんですね。そして、その後死ぬんです。そうすると、ああ自分はやっぱり生きてて良かった、とか。昨日のこととか、ゼロではないけど、だいぶボクはそれで解消されます」
それにしても一茂が、ここまで熱く瞑想について語る背景は何か。
「5月25日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)では、自身がパニック障害、うつ病など心の病気と闘ってきたことを明かしています。偉大すぎる父を持ち、子供時代に、両親・兄弟4人で食事に行ったことは1度もなく、妹・美奈さんとの不仲が囁かれたこともありました。そうした様々な過去も影響して一茂は心が弱ったと思われ、その克服法の一つとして、かなりの瞑想通になったんではないでしょうか」(芸能記者)
もちろん今でも、「上から目線の物言いが嫌い」という意見も少なくないが、一方で、自分の生き様もタブーなく語ることで、受け入れられてきているということかもしれない。ここに来ての人気ぶりは、決して父親の七光りだけではなさそうだ。
(島花鈴)