ロシアW杯開幕前の6月1日に、スペインのエイバルからベティスへ移籍することを発表していたサッカー日本代表MF乾貴士。だが、その決断は少々早すぎるものだったかもしれない。
ベティスサイドによれば、乾と新たに締結した契約期間は2021年までの3年契約となっており、また、前所属先であるエイバルとの契約を満了していたため、移籍金は発生していない。つまり、ベティス側はロシアW杯グループステージ第2戦のセネガル戦で美しいカーブシュートを叩き込み、決勝トーナメントのベルギー戦でも強烈な無回転ミドルを決めていた日本代表のヒーローを“タダ”でゲットした格好だ。
「W杯という大舞台に全神経を注ぎたいがために、大会開幕を待たずして自身の去就を決めるというのは他のサッカー選手でもよく見られる傾向ではありますが、乾の場合は、W杯開幕を待つべきだったと言えるでしょう。4試合で2ゴール1アシストという大活躍を披露し、欧州の主要メディアからも特筆級の評価を得た状態で、新チーム探しを始めていれば、ベティス以上の強豪ビッグクラブも触手を伸ばしたかもしれません。しかも、その場合、彼は契約を満了したフリーの身だったことになるわけですから、乾ほどの実力者を契約解除金無しで獲得できるとあれば、有力クラブも放ってはおかなかったはずです」(スポーツライター)
とはいえ、去就問題を大会前にクリアしていたからこそ、大舞台での戦いに専念できたという考え方もあるだろう。ベティスは2017-18シーズンのスペインリーグを6位で終えており、ヨーロッパリーグへの参戦も決まっている名門クラブ。もちろん、より高みを目指せた可能性もあっただろうが、まずは新たな地でその価値とクオリティーをしっかりと証明することに重きを置くべきかもしれない。
(ジェイコヴ)