宮崎駿監督の長編アニメーション映画「となりのトトロ」が8月17日に日本テレビで放送され、14.0%の平均視聴率を記録。地上波での16回目の放送ながら改めて根強い人気ぶりを見せつける格好となった。
若い視聴者層のテレビ離れが加速する昨今、ゴールデンタイムにおいても二桁視聴率を達成することは至難の技ともされるが、老若男女を問わないスタジオジブリの人気はやはり別格だ。昭和30年代の田舎町を舞台にしたサツキとメイによるファンタジーなひと夏の思い出が描かれた同作は、1988年に劇場公開され、世に出てから実に30年が経過しているものの、今だに14%を叩き出す人気コンテンツとして君臨している。
「そもそも『金曜ロードショー』の歴史において、スタジオジブリは欠かせません。同番組の歴代高視聴率作品のランキングでは、トップ5のうちの4つがジブリ作品となっており、いずれも視聴率29%を超える“怪物”ぶり。歴代最高視聴率で2003年1月に放送された『千と千尋の神隠し』は46.9%という数字を叩き出していますからね。紅白歌合戦やオリンピックといった旬の行事ならまだしも、1本の映画を放送してこの視聴率を記録するというのはジブリだけが成せる神業といえるかもしれません」(テレビ誌ライター)
なお、今回放送された「となりのトトロ」の、過去16回放送の中で最高視聴率は1990年3月放送回の23.2%だという。
最近では定額制の見放題を謳った動画配信サービス「Hulu」や「Netflix」がブームとなっているが、スタジオジブリの作品は、レンタルDVDを除けば、見ることができるのは、日テレでのみ。こうしたことも爆発的な視聴率の記録にひと役買っているのだろう。
(木村慎吾)