2月24日にアメリカのロサンゼルスで行われた第89回アカデミー賞のプレイベントに出席した、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが爆弾発言をした。3年半前に長編映画からの引退宣言をした宮崎駿監督が「長編映画を制作中」だと発表したのだ。
「宮崎ファンの間では、宮崎監督が長編を描いてくれることは予想がついていました。昨年放送されたNHKスペシャル『終わらない人 宮崎駿』で宮崎監督は、ドワンゴの川上量生会長が持ち込んだCGを見て『生命に対する侮辱』と一喝する場面がありました。さらに、どこにたどり着きたいのかを尋ね、ドワンゴのスタッフから『人間が描くのと同じように、絵を描く機械(を作りたい)』との答えを聞くと『地球最後の日が近い気がするね。人間のほうが自信がなくなっているからだよ』と感想を述べたのです。その後、宮崎監督は鈴木プロデューサーに『長編企画 覚書』と書かれた新企画書を提出して番組が終わりましたから、ファンの間では『きっと新作を描いてくれる』という期待感が高まったんです。ところがその後、なかなか新作の話が出てこず確証が得られませんでした。それが今回、やっと鈴木プロデューサーの言葉によって確信に変わりました。ファンは感涙ですよ」(漫画誌編集者)
人間の根源的な尊厳や痛みを理解しない表現者が現れている現代。宮崎監督の新作が待たれるばかりだ。