お笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎が、デビュー作で大ヒットを飛ばした。昨年10月に発売したマンガ「大家さんと僕」が55万部を超えるベストセラーとなり、4月には手塚治虫文化賞の短編賞も受賞。同作は週刊新潮に連載されており、いまやお笑い芸人よりもマンガ家の肩書でテレビに出演する機会も多いほどだ。そのヒット作が矢部に多額の収入をもたらしているという。
「マンガを含む書籍の印税は通常10%。『大家さんと僕』の印税は5500万円と予想されます。所属事務所の吉本興業が一定の割合を抜くことになりますが、8月4日放送の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で、矢部は『だいたい半々ぐらいで』と語っていたので、現時点ですでに2750万円ほどが矢部の手に入る計算です。ここから税金も引かれるものの、著作物が急に売れて多額の印税が入ってきた場合には『平均課税』という制度を利用でき、納税額を抑えることが可能。そのため矢部には2000万円程度の臨時収入が発生することになるでしょう」(出版関係者)
その矢部は昨年6月にテレビ番組で、直近3カ月の収入を「65万円、47万円、45万円」と告白していた。平均50万円とすれば年収は600万円となり、今回は一気に3年分の年収を稼いだことになる。それでも矢部はその稼ぎに甘んじることなく、お笑い芸人としての仕事を地道に続けているというのである。
「8月19日放送の『釣りびと万歳』(NHK BSプレミアム)にて矢部は、山形県の飛島でオニカサゴ釣りにチャレンジ。慣れない船釣りに加え、2日目には悪天候で大きく船が揺れる悪条件の中、5時間にもわたって大物釣りに挑みました。画面では気丈に振舞っていた矢部ですが顔色に生気はなく、番組に映っていない場面では嘔吐したりダウンしていたのは確実。それでも一人の芸人としてキツい仕事をこなす様子からは、印税生活に甘んじることなく芸人の本分を全うしようとする姿勢が感じられました」(テレビ誌のライター)
芸人の世界では時々、著書が大ヒットして巨額の印税を手に入れる者もいるが、中にはお笑いの仕事が減ってしまい、印税を使い切るとともにジリ貧になってしまうケースも少なくない。だが矢部に関してはその心配はなさそうだ。
(金田麻有)