船越英一郎やダレノガレ明美の物真似で人気のお笑い芸人、「ガリットチュウ」の福島善成に猛烈な批判が殺到している。批判の矛先になっているのは福島が8月19日に披露したボランティア活動家の尾畠晴夫さんのモノマネ。山口県の周防大島で行方不明になっていた二歳男児を発見した「スーパー爺ちゃん」こと78歳の尾畠さんに扮した姿をツイッターに投稿したところ、400件以上のコメントが寄せられ、その多くが福島に対する批判だったのである。
批判の内容は「一般人をモノマネの対象にするのはおかしい」といったソフトなものから「尾畠さんに謝罪しろ!」といった直接的な批判など様々ながら、そのほとんどは「笑いのネタにするのは不謹慎だ」という趣旨だ。福島自身は「顔より心を似せたい」とのコメントを添えていたが、それに対しても「心を似せたいならお前もボランティアに行け」という辛らつな批判も少なくない。
「おそらく福島自身は尾畠さんへのリスペクトを込めて今回のモノマネを披露したはず。その意味ではスポーツ選手や映画俳優をモノマネするのと同じ感覚だったのでしょう。しかし今回の救出劇では子供の生死もかかっていたことから、福島のモノマネを不謹慎と捉える人がいるのも無理はありません。旬の人物に飛びつく姿勢は芸人としては正解ですが、飛びつく相手を間違えてしまったのは明らかですね」(芸能ライター)
福島は翌20日の時点でそれらの批判には反応せず、自然鎮火を狙っているようだ。そんなお騒がせのモノマネについて、騒動の元凶は福島自身ではないとの指摘もあるという。お笑い系のライターが解説する。
「今回のモノマネはおそらく福島自身の発案ではなく、吉本興業の作家が考え付いたものではないでしょうか。意外に知られていませんが、芸人はネタのすべてを自分で考えているのではなく、作家との共同作業で作っているネタも少なくありません。見方を変えれば、ネタを考える人(作家)とネタを実演する人(芸人)が分業制になっている例も珍しくないのです。吉本には100人以上の作家が在籍しており、漫才やコントのネタはもちろん、モノマネやリズムネタについてもアイデア出しを行なっています。そして福島に関しては性別や年齢を問わないモノマネが受けているため、作家陣が次から次へと新しいネタを提案しているはず。その中で話題性だけに注目して、今回の尾畠さんネタに踏み切ってしまった可能性が十分にあり得るのです」
いずれにせよ「今あのおじいさんをマネすればウケるはずだ!」との考えが浅はかだったことは否定できないはずだ。
(金田麻有)