あの元世界王者がなんと、歴史偉人をウラ解説──。実は「偉人研究者」の一面を持っていたガッツ石松が、昨今の歴史ブームに猛烈なパンチを繰り出した。全4回シリーズの1回目は、幕末~明治維新の志士たちを掘り下げる。ユーモア満載、ガッツ流の視点でまるわかりのOK牧場!
このガッツ的「OK偉人牧場」を始めるにあたっての俺の開口一番っつーのかな、まず言っておきたいことは、歴史っつーのはいろいろ伝えられてるけど、その中には架空のこともたくさん入ってる気がするんだよね。文献とかもあるけれども、基本的には人から人への言い伝えだから。一つの出来事が5人に次々に伝わっていったら、5人目の人の話は、最初の人が聞いた話とだいぶ変わってると思うんだよね。伝言ゲームみたいなもんだな。
何が言いたいのかっていうと、歴史ではこう伝えられてるけど、「事実はそうじゃないものもある」ってことだね。だって誰もその時代に生きてないわけだから、本当のことなんかわかんないわけだよ。だから人と違う見方、ガッツ流の歴史の見方があってもいいと思うんだな。そんなことでさっそく第1回「幕末~維新篇」いってみるかな!
今から150年前。幕末から明治にかけて見てみると、西郷隆盛や大久保利通といった志士たちが、なぜ260年も続いた幕府を“爆発”させなきゃいけなかったのかと。まずそこから考えてみたいわけだな。
いちおう言っとくけども「バクフとバクハツ」‥‥これはガッツ流のシャレね。
当時はイギリスとかフランスとかアメリカとか、欧米各国が日本に来て侵略しようとしてたわけだよ。聞くところによると、日本という小さな島を勝手に4等分しようとしてたらしいね。
「羊羹なら4等分はちょうどいいだろうよ。日本は羊羹じゃねーっつんだよ!」
当時の幕末の志士たちもきっと、俺と同じこと思ったんじゃないの。
徳川さんの260年の間に幕藩体制が崩れて、日本という国があっちこっち綻び始めてきた。その揉め事に欧米列強がうまいこと介入して、日本を羊羹みたいに分けようとしてたわけだ。
そこで「身内で揉め事をやってたんじゃ、日本の国はダメだ。一本化しなくちゃいけない」ということで、幕府をやめて天皇中心に一つにまとめようとしたのが西郷隆盛や大久保利通や桂小五郎といった、維新を動かした人たちだったんだな。260年も続いた国の体制を変えるのは、並大抵じゃできない。やっぱり「維新の三傑」って呼ばれるだけのことはあるね。この3人は偉人牧場入りOK!
で、その三傑のうちの西郷さんと大久保さんがなんで仲間割れしたかというと、幕府を倒して明治新政府になったあとで、西郷さんは「日本国内のことはもちろんだけど、これからは大陸だ。大陸の前に朝鮮半島だ」と、朝鮮に目を向けた「征韓論」っていうのを唱えるわけだ。
それに「待った!」をかけたのが大久保さん。「そんなことより、まずは日本を一本にまとめなきゃいけないんじゃないの」ってね。