猛暑が続いたこの夏。夏バテで体力が落ちた、消耗した、という人は多い。そこで夏バテ解消には一番と、うなぎを食べた人は多いだろう。うなぎには代謝を促し、疲労回復に役立つビタミンB群や免疫力を高めるビタミンAなどが豊富に含まれており、特にビタミンAの含有量は牛乳の25倍というからすごい。しかし、このうなぎが夏バテにはNGだというから驚く。話すのは管理栄養士の萩原智恵さんだ。
「夏バテ防止なら、うなぎは最適なのですが、夏バテして胃腸が弱り、消化力が衰えている体には脂肪が多く、高カロリーのウナギは負担が大きい。さらに胃腸の機能低下を招く」
では夏バテを解消するには何を食べればいいのだろうか。萩原さんは言う。
「タンパク質、ビタミンが豊富で脂肪分の少ないもの」
それが鶏肉だといい、お勧めの料理が奄美大島の郷土料理“鶏飯”だという。ご存知でない方のために説明しておくと、鶏飯とは、茶碗に盛った白飯に、ほぐした鶏肉、錦糸卵、味付き椎茸、漬けものなどの具材と葱、きざみ海苔、陳皮(ミカンなどの皮)などの薬味をのせる。そして塩、醤油で味をつけた丸鶏から取ったスープをかけて食べる料理である。
「鶏肉にはエネルギー源となる良質なたんぱく質が含まれており消化吸収に優れているほか、豊富に含まれているメチオニンは脂肪肝予防にもよい。栄養バランスも良く、夏バテ解消には最適です」(前出・荻原さん)
ぜひ味わってみたい料理だ。家でも簡単に作れるが、老舗の「みなとや」をはじめ、本場の味を取り寄せることもできる。
(谷川渓)