周囲の慌ただしい動きに対して、当の進次郎氏は沈黙を守るばかりである。
「石破氏と進次郎氏は、お互い地方創生大臣と新人議員という立場の当時、関係を深めたと言われます。しかし、実は進次郎氏が議員になる以前の米シンクタンクに留学していた時代に、石破氏が進次郎氏をわざわざ訪ねている長年の知己でもある。石破氏は93年の細川政権で自民党が野党に転じた際に一度離党しているが、その“前科者”を防衛大臣として取り立てたのが、ほかならぬ小泉純一郎氏だった。その息子に対しても深い忠義を持ち、常々『自分はともかく、進次郎を総裁にしなければいけない』と周囲に語っているほどです」(政治部デスク)
政策信条としても進次郎氏は石破氏寄りだという。
「この2人の共通点は、どちらも自民党内では選挙演説で一、二を争う人気があることです。特に2人が応援に駆けつける選挙区は自民党が厳しい立場にあるため、強い批判を浴びることになり、自民党のどこが悪いか、何が足りないのかを肌身で感じることになります。そのため、帰京し党執行部で発言すると、どうしても執行部批判になってしまう。こうして2人の問題意識は自然に似てくるわけです」(鈴木氏)
はたして、進次郎氏が選ぶのは、旧知の石破氏か、それとも強奪を仕掛ける安倍総理なのか──。
「この間、進次郎氏は8月にインド視察、9月からはニュージーランドへと海外視察が増えている。これは明らかに、総裁選について記者から聞かれることを嫌がっているためです。つまり、安倍内閣とは一定の距離を置くことにしている。本人が勝負に出るのは20年の東京五輪以降。今は時期尚早と思っているのが本音でしょう」(国会担当記者)
一方、総裁選の前哨戦が繰り広げられる中、永田町ではある怪文書が出回っているという。
「実は、石破氏は若手議員時代に女性スキャンダルが報じられている。92年に北朝鮮・金日成主席の誕生式典のために訪朝代表団入りしましたが、その訪朝でハニートラップにあったというものです。なんでも、カラオケバーでチマチョゴリ美女をあてがわれ、喜々としてデュエットしたばかりか、自室にもお持ち帰りしたとか。石破ビジョンでは平壌に連絡員事務所を設けるなど拉致問題解決を図ろうとしていますが、そんな下半身の弱みを握られていては、本腰で交渉に臨めるはずがないでしょう」(政治部デスク)
古傷までも総裁選に持ち出されては、トドメの一撃を食らってしまう可能性もある。
「ここにきて、進次郎氏の入閣先は官房副長官が現実味を増してきました。先頃、内閣情報官が水面下で日朝交渉を進めていたことが報じられましたよね。このまま安倍内閣が継続し、下交渉がうまく進めば、11月にも日朝首脳会談が組まれることになる。実現すれば、02年の小泉政権以来となる総理の訪朝となります。当時の訪朝では、安倍総理が官房副長官として小泉総理に随行していましたが、この時、一時帰国した拉致被害者を再び北へ帰さない強硬路線で名を上げ、大臣経験がないまま総理となった。今度は進次郎氏が官房副長官として安倍総理に随行して平壌の地に降り立つ交渉で、『私の父・純一郎があなたの父・金正日と握手した』と口上すれば、金正恩もまんざらではないはずです」(政治部デスク)
シナリオを知るときれいごとに聞こえるが、はたして進次郎氏は“安倍色”に染まっていくのか、注目を集めている。